技術者

仕事の幅を広げるのは自分の責任

会社で開発の仕事を続けていると、どうしても知識に偏りが出てしまう。仕事で使うからという理由で専門知識が増えていくのは有り難いことだとは思うけれど、だからと言って専門家として書籍を書ける位に深い知識が身に付くわけでもないし、新しく開発した技…

人材育成という幻想

組織が一個人の人生を越えての存続していくためには、組織に属する人のスキルアップが欠かせない。優秀な人材が揃えばこそ組織は存続できるのであり、その基盤が強固であればあるほど組織の競争力に繋がるはずだ。だから、組織的な学習は欠かせないし、技術…

経験を積めばスキルが上がるという幻想

組織の中では経験を積んだベテランから、キャリアを積み始めたばかりの新人まで幅広い人材がいて、そのスキルの差があるのは当然のことなのだけど、一方で似たような開発経験を積んで来ているはずなのに、そのスキルの差が大きく開いてしまっているケースも…

プロフェッショナルとして最も必要なスキルは何か?

技術者として必要なスキルは色々あるけれど、その中で最も大切なものは何だろうかと知人と議論したことがある。その中には、「自分の手で新しいモノを生み出せる力」や「曖昧な要求を確実に取りまとめる力」「プロジェクトを成功に導く力」「開発チームを引…

特許という武器

メーカーで開発の仕事をしている技術者は特許の出願・取得を強く勧めらることが多いのではないかと思う。ソフトウェアも例外ではなくて、新しく考え出したアルゴリズムや実現される新システムについて明細書を書き上げ、弁理士先生を相手に「考案した内容に…

技術を知っているという思い込みが怖い

ソフトウェアの開発現場には様々な人がいて、コードをガンガン書き続ける開発者がいる一方で、協力会社向けの仕様書を書き続ける人や、ひたすら打ち合わせを続けて「仕様調整」「工程管理」「障害対策」に励む人もいる。毎年新入社員が入ってくると聞かれるF…

ボーダーレスな開発の時代

昔のソフトウェア開発なら、いわゆる業務系、ウェブ系、組み込み系といったカテゴリがあって、開発者はいずれかのカテゴリに属しているのが普通だったし、各々の技術者では前提となる知識が異なっていたので話が通じないことも多かった。同じ開発言語を使っ…

ニッチな市場で生き延びるという選択

スマートフォンのアプリ開発に関して知り合いと議論。開発対象として、iPhoneを選ぶべきか、それともAndroidを選ぶべきかというホットな(?)話題だった。彼の主張はこのようなもの。 iPhone用のObjective-Cを使える開発者は数が少ない。Javaの開発者の方が…

負の連鎖を断ち切れない開発者

ソフトウェアの開発現場では、正しいことばかりではなくて、正しくないことも何故か平気で行われている。行われているどころか、問題を指摘する人がいないと、あたかもそれが正しいかの如く脈々と受け継がれていたりする。その一例。 正しくないAPIの使い方…

学ぶ方法をどうやって学ぶか?

その昔、社会人になって間もない頃、会社で机に向かってビジネス誌を読んでいる人がいた。自己啓発のためか、その雑誌を読むことがビジネスマンの常識なのかと思いつつ、なぜその雑誌を読むのか目的を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。 この会社に…

エンジニアの必読本「エンジニアとしての生き方」

Life is beautifulでお馴染みの中島聡さんの本。ブログの方はいつも目を通しているけど、ブログや雑誌記事がまとめられたこの本を読んで、エンジニアとしての生き方を貫き、若い人達を叱咤激励する中島さんの熱き想いを改めて知ることが出来たように思う。日…

どの開発者に投資するのが効果的なのか?

先週のJaSST'11 Tokyoの最後のパネルディスカッションにて、正社員と派遣社員のどちらを教育すべきか?という意味の議論があった。有益な情報を社内に持ち帰ってきて横展開してくれれば誰でも良いと言う意見が出て、これはこれで正論なので特に反対意見は無…

技術者はもっと手を抜く方法を考えるべきではないか?

技術者はどちらかと言うと生真面目な人が多くて、例えば営業の人のように「口だけ上手いので話をするときに気をつけねば」と思う人は少ない。営業の人が絡むとややこしい話も、技術者同士で話をするとうまくまとまることも多い。多分、技術者は嘘をつかない…

中国へ流れる技術者

昨日(2010/11/13)、中国に渡る技術者の姿を描く番組が放映されていた。国内家電メーカーの人員削減により退職を余儀なくされた技術者が中国メーカーに仕事を求めるのだが、中国の会社側も数年前とは一転して日本人技術者なら誰でも歓迎というわけではなく、…

去りゆく技術者

会社で仕事をしていて辛く感じることの一つに、長年一緒に仕事をしてきた仲間の離職がある。個人や家庭の事情などいろいろ理由はあるようだけど、個人的に話を聞いてみると、技術者として会社の置かれている状況や自分の立場を分析して苦渋の結論を下してい…

一流の開発者へのヒアリング

優れた仕事をする技術者は、一体何を考えて作業をしているのかずっと興味がある。どのような自己研鑽を行い、どんな事に注意を払ってコードを書き上げ、どの視点から技術を評価しているのだろうか?もちろんIT業界にはその類の偉人が既に存在しているし、本…

ロールモデル不在という悲劇

その昔、とある事情で転職コンサルタントの人と話をしたことがある。自分がやってきた仕事や経歴を説明し、自分の置かれている状況も説明し、会社に対する愚痴もいろいろぶちまけた(ような気がする)。私としては仕事そのものに対する不満よりも、社内に手…

勉強しない技術者

職場の雑談で、週末に読んだ技術書の話をしたことがある。特に難しい本でもないし、気軽に読めるものだったのだけど、その時の相手の反応は「休みの日に本なんか読んで勉強しているのですか?」だった。自分では本を読むことくらいアタリマエの事であり、特…

自己啓発の必要性

小俣光之氏の本を読んでいたら下記の文章に出くわして、少々ドキッとする。思わず知り合いの顔を思い浮かべてしまいました。悪気は無いです。(たぶん) 開発現場に長年固定されたり、あるいは方々の現場に飛ばされたりしながら、目の前の仕事をこなすことだ…

勉強会に参加しない理由は?

社内で勉強会を開催。どういうわけか、出席者の顔ぶれはいつも決まっているように思う。もちろん、内容に当たり外れがあるのは仕方ないけど、勉強会を10回やって1度も出てこないのは何か特別な理由があるのではないだろうか。聞いてみたことは無いけれど、勉…

それを決めるのが開発者の仕事

開発者の戯言いろいろ。 「要求内容が分からないので見積が出来ない」 「こんな仕様書では何を作るのか分からない」 「仕様書が足りないからテストできない」 外部から来る要求内容に不足や矛盾があるのは当たり前のこと。不足している仕様を提案したり、疑…

私家版パレートの法則

社内で勉強会を開催。任意参加とはいえ金曜日の定時後なので集まりは悪く、顔ぶれはいつもと同じ。自分の仕事に直接絡まないトピックスに興味を持つ人は多くなく、パレートの法則の如く2割程度ではないかと感じている。例えばこんな感じ。 新しいサービス(…

蓄積がモノをいう

私の机の脇に積み上げられた技術書の山を見ながら、会社のボスキャラが質問。 ボスキャラ:「この本を全部読んだら、技術士になれるのか?」 私:「これだけ読んだら受験願書を取り寄せても良いですけど、試験の合格には全然足りません」 ボスキャラ:「...」…

技術者の美意識

ソースコード説明の打合せにて質疑応答。 開発者:「何でこんな作りになっているのですか?」 私:「技術者の美意識だ」 要求されたモノを作れば技術者としては合格点かもしれないが、それはあくまでも他者から見た外部評価に過ぎない。物作りにこだわる開発…

勉強会にて発表当番

技術者が集まった某所にてプレゼン。ネタは悪くないと思ったけれど、反応は今ひとつ。残念ながらモデル検査はあまり人気がないようだった。年配の技術者は、そもそもマルチスレッドとか非同期処理そのものを知らない様子だったし、若手の技術者は.NETもJava…

技術だけではダメと言うけれど...

組織として一つのソフトウェアを生み出すためには、強いリーダーシップやプロジェクトメンバーの貢献、最後まであきらめずにバグと闘う努力などさまざまな要因が必要だが、その一つに技術力が含まれることは疑いの余地が無い。技術こそが、優れた成果を生み…

社内にて

私の机の上に並んだ本を見ながら若手技術者が質問。 若手:「○×とか、△□は読んでいないのですか?よく売れているみたいですよ」 私:「もう既に読んでいる。でも同じ本を読んでいる限り、同じ思考しか出来ないだろう?他人と違う発想を出したければ、人が読…

某会合にて

或る会合での会話。 某氏:「先日、taspoのカードを申し込んだよ」 私:「あれ?禁煙していたのでは?」 某氏:「タバコは吸っていないよ。あのカードがどんなものか知りたくなってね」 私:「な、なるほど」 定年を過ぎた技術者の方だが、旺盛な好奇心は衰…

現場主義

長年にわたって経験を積んでくると段々と予測能力が出てくるのか、横着になるのか、物事を表面だけで理解しがちになる。例えば、こんな感じ。 新しいソフトウェアの機能について「○×みたいなものでしょう?」 新しいウェブサービスについて「使い物にならな…