ニッチな市場で生き延びるという選択
スマートフォンのアプリ開発に関して知り合いと議論。開発対象として、iPhoneを選ぶべきか、それともAndroidを選ぶべきかというホットな(?)話題だった。
彼の主張はこのようなもの。
- iPhone用のObjective-Cを使える開発者は数が少ない。Javaの開発者の方が多いのだから、Androidの方が有利。
- 開発者出来る人が少ないと、業務用のアプリケーション開発は難しいだろう。
確かにその通りかも知れないけれど、それはビジネス展開を考える人の発想であって、現場の開発者の見解ではないような気がする。意見を求められたので、このような回答をしてみた。
- Javaの開発者が多いと言っても、それはサーバ側の開発者だろう。Swingをはじめとして、クライアントの開発者が本当にそれだけ沢山いるのか疑問。
- 従来のデスクトップアプリを作ってきた開発者なら、iPhoneもAndroidの開発も似たようなものだろう。覚えるべき事はそれぞれ異なるけれど、基本的な考え方はあまり変わらない。
- 書籍等で技術情報は広く出回っているのだから、やる気のある開発者なら言われる前に自分からObjective-Cなどの勉強を始めているだろう。だから、開発者は意外に多いかも知れない。
iPhoneが良いか、Androidが良いのかというのはやや宗教論争的な意味合いを含むことがあるので、結局のところ、どちらでも良いと思っている。必要に応じたものを選択すればよい、それだけの話だ。
この話をしながら思ったのは、例えばJavaのような開発者が多いメジャーなプラットフォームでは競争が激しく、値段的にも買い叩かれることが多いので、どちらかと言えば、Objective-Cのようなマイナーな方を選ぶ方が、実は賢い選択かも知れないということだ。
会社でのビジネスはまた別の話だけど、開発者個人としては「他人には真似出来ない独自のスキル」を持つことで差別化出来るし、生き延びていくための必須条件だろう。誰にでも出来る類の仕事は、コストの安い会社やオフショアへ逃げていくことが多く、続けて行くのは大変だと思う。
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