勉強しない技術者

職場の雑談で、週末に読んだ技術書の話をしたことがある。特に難しい本でもないし、気軽に読めるものだったのだけど、その時の相手の反応は「休みの日に本なんか読んで勉強しているのですか?」だった。自分では本を読むことくらいアタリマエの事であり、特に勉強という意識を持っていなかったのだけど、彼にとっては家で仕事に関する書物を読むなんてトンデモナイことだったらしい。勉強するから偉いなんて言うつもりはないけど、会社の外でスキルアップの努力をしない開発者の行く末は見えているような気がする。

学生時代は勉強していた人も、社会人になって勉強の習慣を無くしてしまうのは不思議なことだ。会社の仕事を言われた通りにこなしているだけでは、多数の中の一人に終わってしまう。多数の中に埋もれない自分だけのブランドを確立するには、それなりの努力が必要だろう。会社の上司が週末のゴルフの自慢話をするからと言って、わざわざ自分もレベルを落としてまで付き合う必要はない。勉強しないとこんな人間になってしまうという反面教師として見れば良いのではないだろうか。些細なことだけど、長い目で見た時、こんな所で人生の差が付いてしまうような気がする。

私が所属していたシステム会社が、コンサルタントとアナリストで構成される会社と合併した時、あるアナリストから聞いた話を紹介します。彼は平日なら2時間、週末や祝日なら1日6時間勉強するというノルマを自分に課していました。勤務時間中のことではなく、帰宅してからの勉強時間です。この話を聞いた時点で私は絶句寸前でしたが、彼が「システム部門の人はどのぐらい勉強しているのですか」と私に聞いてきた時、返答に窮してしまいました。

第27回 “35歳定年説”は、勉強で乗り越えられる | 日経 xTECH(クロステック)