グレーピープルに気をつけろ

物事に白黒を付けたがらない人がいる。議論をしても、自分の主張よりはまず他人の意見を聞いてからという方針だし、その主張も相手の意見によって平気で変えたりする。おまけに、自分の信念がないものだから、前回の打合せでは「○×を...する」と言っておきながら、次の打合せでは話の流れに合わせて、前回とは全く逆の「○×を...しない」などという主張をするので、周囲を振り回すことも多い。仕方なく、周囲の人間(ワタシのことだ)は議事録を片手に「前回は、このような方針でしたが?」と指摘するはめにある。

さらに、こんな人のアクションアイテムが出てくると大変だ。会議の場では調子良く「やります」「検討します」「調整します」なんて言うので周囲は納得してしまうけれど、白黒を付けたく無いので、「今は忙しい」「急ぎの作業がある」等と理由を付けて決してアクションを起こそうとはしない。しつこくフォローする(これもワタシだ)と「そんな昔のことをいつまでもしつこく言うものではないよ。キミも少しは大人になりたまえ」と説教されることすら有る。ハッキリと白黒を付けるといろいろ困るから、曖昧なグレーのまま放っておけという意味らしい。

なるほど、組織の中で荒波を立てない「調整能力に優れた人」とはこんな人物を指すのかと納得できる反面、リーダーシップも管理能力も発揮しないリーダーがいるから、会社の経営の足を引っ張るのも分かる気がする。そんなわけでこの不況の中、会社組織の運営に苦労する社長には同情するけれど、グレー状態を愛するリーダーには全く同情しないようになった。