枝葉末節にこだわる人たち

仕事で資料を作ってレビューを依頼すると、やたらと細かい点にこだわって指摘をして来る人がいる。曰く、この英単語は単数形ではなくて複数形を使うべきだ等々。確かにその指摘は(それなりに)当たっていて指摘としては有り難いのだけど、実際問題としてこちらが求めているのはそんな枝葉末節ではなく、もっと広い視点での指摘だったりする。

  • 資料全体の論理構成に問題はないのか?
  • 主旨の展開をもっと直した方が良いのではないのか?
  • 議論の方向性は他と整合性が取れているのか?

そんな「お願い」を明記しておいても、大局的な視点での指摘をくれる人はあまりいない。細かい箇所にこだわるのは簡単だが、大きな枠組みを踏まえた上での指摘をするのは意外に難しいようだ。

特に厄介なのは「自分の若い頃は...」と自分の現役時代の活躍を忘れられないリーダの指摘であり、思わず「アナタの仕事はそんな事ではないでしょ」と突っ込みを入れたくなってしまう。もちろん、細かな点に気がつくメンバはチーム内に一人は欲しくて、それはそれで貴重な存在なのだけど、それがリーダであるというのは良くないパターンだと思う。

リーダは細部に目をつぶって大枠を決めるのが基本であって、重箱の隅をつつくような指摘は他のメンバに委ねるべきだだろう。そのような仕事を任せられるメンバが周囲にいないのなら、それはチーム育成に失敗している証拠ではないのだろうか。経験を積むほどに指摘は容易になるものの、そのレベルが同じ所に留まっていてはいけない。経験や立場に応じて求められる視点というものが有るし、その視点に基づいた指摘が不可欠だと思っている。



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