仕事の段取りはデッドラインから逆算して考える

「時間が無い」という人に限って余計な話が多いのは、なかなか興味深い事実だけど、そんな人の世間話、愚痴話、無駄話、閑話、噂話に付き合っていたらいつまで経っても自分の仕事が片付かないので、ふんふんと適当に相槌を打って切り上げることにしている。そんな冷たい態度を取って人間関係が悪くなったらどうしよう?なんて言い出す人もいるけど、そのような考え方は余りにナイーブ過ぎるのではないだろうか。人は人、自分は自分と割り切って生きて行かない限り、ひたすら他人に流されるだけの人生になってしまうのだ。

とは言え、そんなドライな生き方をしていても、残念ながら自分の仕事は山積み状態。これを全部片付けるまで頑張らなきゃと、昔はまじめに取り組んでいたような気もするが(もう忘れた)、人間歳を重ねると要領を覚えてくるので、実はそれほど手間はかからなかったりする。そんな考え方の一例。

  • まずは80%を達成して目処を付ける
    締め切り前日になって達成度が0%だとかなり慌ててしまうが、事前に80%まで片付けておけば、仮に緊急の割り込み仕事が入っても合格ラインには到達できるだろう。少なくとも達成度0%よりはずっと良いはずだ。作業の峠さえ越えておけば、あとは余った時間を使って気持ちに余裕をもって仕上げることが出来るのだ。
  • 何を切り捨てて良いのか考える
    全て100%完璧に仕上げるのが理想だけど、そんなやり方を続けていたらいつまで経っても量をこなせないし、スピードも出ない。不要なもの、優先度が低いもの、どうでも良いものはさっさと切り捨ててしまい目をつぶってしまうことが必要だろう。試験で100点を取っても合格だし、合否ラインギリギリを確保しても合格なのだ。それなら後者を選ぶ方が効率的なはずだし、空いたリソースを他に回して有意義に使えるはずだ。
  • 成果物の確認を事前に行う
    締め切り直前になって成果物を提出すると「ここまで時間をかけたのだから100%の出来映えだろう」と期待されることが多いので、もしミスが見つかってしまうと手痛い失点になる。ところが、締め切りよりもずっと前に同じようなレベルのものを持って行くと、「まだ充分に時間をかけていませんが手早く簡単に作ってみました」という言い訳が充分に説得力を持つので、足りないところや直すべきポイントを親切丁寧に教えてもらえたりする。自分の作っているものの方向性が正しいか、抜けている箇所は無いか確認してもらえるのだから、その分自分の手間を省くことが可能になるだろう。
  • 段取りは逆算して決める
    スケジュールを前から順番に後ろ方向へ立てていくから、後半になるほど苦しくなることが多い。ガントチャートのような工程表は締切日を起点として、開始日方向へ逆方向に作るべきものだと思う。「この日までに必要なものは◯と×。だから、それまで必要なものは...」という考え方でマイルストーンを積み上げていけば、スタートダッシュが必要だと自然に分かるし、事実その通りに動かなければならないのだ。最初は慣れないから慎重に進めようだなんて考えているから、あっという間に時間は過ぎ去ってしまう。必要な失敗をさっさと済ませ、素早く成功の波に乗るためにも、最初からフルパワーを出す必要があるだろう。

デッドラインまでの限られたリソースで、確実に成果を出すのがプロの仕事だ。成果を生み出すために何がいつまでに必要であり、そのためには何をカットしなければならないか常に考えておく必要がある。忙しい、忙しいを連発する人は、その辺りの戦略がやや甘いのではないかと思っている。

損切りとはやらなくても良いことをやらないという割り切りです。人間は一度始めたことはなかなかやめようとしません。継続して続けることが重要なこともありますが、あまり意味の無いことに何となく時間をずっとかけている。そんな日常行動も意外に多いのです。

http://www.shinoby.net/2011/11/post-2541.html