お掃除ロボット「ルンバ」を買った

ルンバを買った。ホントは掃除機を買い換えるつもりだったのだけど、電気屋さんに行ってみたらルンバの実物が展示されていて興味を惹かれたし、以前から気になる製品だったのでエイヤッと買ってしまった。

以下、実際に使ってみた所感をまとめてみた。

  • 掃除の手間が激減した
    スイッチを入れるだけで勝手に掃除をしてくれるのは素晴らしい省力化で、全自動洗濯機の如く利用者の手間がかからないようになった。掃除の前に床のガラクタ類を片付けておくとか、走行の邪魔になる椅子を移動させておく等の前処理が必要とは言え、掃除の本作業にかかる手間と時間は大きく削減できた。これはルンバ導入の最大のメリットだろう。
  • 毎日発生するゴミは想像以上に多い
    外出時に掃除開始を指示しておき、帰宅時にルンバ本体に溜まったゴミを捨てているのだけど、毎日驚くほどの量が出ることに気がついた。今まではゴミパック式の掃除機を使っていたので、一回の掃除でどれだけのゴミが溜まるのかなんて全く意識しなかったのだけど、ルンバの場合は紙パック等を使用せずタンクにそのまま溜まる形なので一回毎のゴミ排出が必要であり(そのように取扱説明書に記載されている)、必然的にゴミの量を毎回見るわけだ。このゴミの量を見ると、今までいかに汚いところで生活していたのかが分かってしまう。

次は開発者的な視点での感想だ。

  • 障害検出の割り切りが凄い
    いわゆる日本メーカー的な発想だとセンサーを付けて障害物にぶつからないような形でチマチマと実装するものと予想するけど、ルンバでは本体が壁やテーブルの脚へ盛大にぶつかりまくる。もちろん本体全部は衝撃を吸収するようなダンパがついているので家具に傷がつくことは無いものの、このような豪快な仕様は日本からは生まれてこないと思う。
  • 自動的に充電ステーションに戻る賢さ
    上位機種のみの仕様だが、掃除が終わると自分で勝手に充電ステーションに戻って充電を行うようになっている。充電ステーションに向かってゆっくり進んでいく姿も可愛いが、部屋の中をグルグルと回った末に帰還場所へ迷わず辿り着く賢さも大したものだと思う。また別置きのアンカーを床の上に置いておくと、そこへ近づかないような動作を出来るので、掃除の範囲を限定することが可能だ。基本は自動運転でありながら、利用者の意図を上手く反映させる仕組みになっている。
  • 走行処理は無駄だらけ
    部屋の中をランダムに動き回るので、既に掃除したところを何度も走行しているような気がする。これも日本人的な発想では「部屋の端から規則正しく並行に一列ずつ」となってしまうところだけど、そのようなムダは承知の上で部屋中を走り回っているようだ。こうなると逆に掃除漏れが発生しないか気になるところだが、下記のようなルンバの観察結果(?)を見ると、すべての領域を隈なく回っているようだ。

ただ、確かに部屋はきれいになっているのですが、本当に部屋の隅々まで掃除してくれているのかが分からない。というわけで、ルンバの移動経路を連続撮影して、ちゃんと部屋の隅々まで掃除しているか確認するプログラムをRubyCocoa(Objective-C)で作りました。

お掃除ロボットルンバの掃除経路を撮影するプログラムをつくってみた - kenmazの日記

一人で勝手に動きまわって掃除をするルンバの姿に何となく未来を感じてしまう。掃除機一つでこれだけ楽しめるとは全くの予想外で、知人に会う度にルンバの素晴らしさを自慢している。掃除機のパワーを競い合う日本メーカーとは一線を画したモノづくりであり、間違いなく家電製品のイノベーションの一つだと思う。

iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 577 シルバー

iRobot Roomba 自動掃除機 ルンバ 577 シルバー

なお、開発元のiRobotはお掃除ロボットだけではなく、軍事用ロボットのメーカーとしても有名だ。ルンバという製品の中にも軍事用のノウハウが活かされているのかも知れない。

部屋の中を行ったり来たりしながら、床のゴミを吸い込む自走式の円盤形ロボット「ルンバ」。2002年の発売以来、世界40カ国以上で累計500万台を売り上げる大ヒット商品だ。店頭での実演販売や、テレビの通信販売番組でおなじみの読者もいるだろう。ルンバの発売元は、米マサチューセッツ州に本社を置くアイロボットだ。

日経BP SHOP|日経ビジネス2010年10月25日号