文句を言う人は多いけど

ソフトウェア開発現場の担当者にヒアリングすると、いろいろと苦情めいた意見を聞くことが多い。例えば、こんな感じ。

  • ソースコードはあるけれど、仕様書が無いので処理内容が理解できない。
  • 元のソースが汚くて読みにくいので、機能追加が大変。
  • テスト結果が残っていないので、どのようなテストを実施したのか分からない。

確かにそうだろう。どんなに優れたソフトウェアでも、表から見えない裏側はそういうものなのかも知れない。文句を並べる開発者をなだめる文句は見つからないように思う。

しかし、そんな状況は理解しつつも敢えて言っておきたい。それは「それなら、自分はどうなのか?」ということだ。仕様書が無いと文句を他人に文句を言えるくらいに、自分は詳細な仕様書を書いているのだろうか?他人から「役に立つ仕様書をたくさん書いてくれたので助かっています」と感謝されるくらいに、資料を書き残しているのだろうか?文句を言うのなら、まずは自分が率先して実践することが必要なのではないだろうか?自分は何もアウトプットを残していないのに、他人のアウトプットを非難するのは少々筋違いという気もする。悪しき前例にならう必要は全然無いのだから、自分が良い例を作り出せば良いだけの話だと思う。

プロセス改善も同じで、文句や愚痴を並べているだけでは何も進歩が無い。改善方法を提案する程度でも同じであり、結局のところ自分の手を動かして、具体的にどれだけアクションを起こせるかという点にかかっている思う。もちろん、各担当者の調整やら予算を確保して取り組まなければならない課題も有るけれど、実際には自分が率先して動けば解決できる課題の方がずっと多いはずだ。口先だけで、何も動かない評論家が多すぎるような気がする。