アイデアマシンガン

会社では自社製品向けのソフトウェア開発を行っている。受託開発はやっていないので、仕様決定に関する自由度はかなり高い。流行りの技術を使って開発することだって出来るし、新しい技術にチャレンジする機会も生み出すことが出来る。もちろん営業部門や企画部門と話し合って製品の方向性を決める必要はあるけれど、自分のアイデアをいくらでも入れ込む機会はあるので、悪くない環境だと思う。

そんなわけで、開発の現場では常に新しいチャレンジが求められる。会議の場で課内のメンバーに求める内容はいつもこんな感じだ。

  • 製品の機能、使い勝手を向上させるアイデアは無いか?
  • 他社製品と差別化出来るアイデアは無いか?
  • もっと売れる製品を生み出すためのアイデアは無いか?
  • 開発効率をさらに高めるアイデアは無いか?
  • 新しい技術、開発手法を生かせる場面は無いか?

しかし、転職してきた人や派遣社員として来た人の中には今まで受託開発しかやったことが無くて、自分で仕様の方針を何でも自由に決めるという考え方に慣れていない人が少なくない。そんなの主体性を持つ開発者というよりは、単なる御用聞きにしか思えないのだけど、それこそがソフトウェア開発の王道だと思っている人がいるので、悲しくなってしまう。新しいアイデアを求めても何も出てこないのだ。聞かれる方も困っているのだろうけど、問いかけをしているこちらの方も悲しくなってしまう。確かに他人の要求を分析するスキルは大切だと思うけど、たぶん自分で要求を作り上げて作り上げた方が、ソフトウェア開発の仕事としては数百倍面白いと思うよ。