長時間労働に潜むリスク

「仕事だから忙しいのは当然のこと。忙しくなかったら会社が潰れてしまうよ」と減らず口を叩きながら仕事に励むものの、忙しさには様々な危険も伴うので注意が必要だ。

  • 優秀な人材が職場を去ってしまう
    開発のプロとしてデスマーチを乗り切るものの、そんな環境に嫌気が差して退職届を持ってくるのは何故か優秀な開発者であることが多く、逆に居残るのは「取り柄は長時間労働に耐えうる体力だけ」という体育会系開発者だけだったりする。
  • 技術の進歩に取り残されてしまう
    技術的に進歩のある前向きな仕事なら良いのだけど、実際には、どこかの誰かが昔作ったバグの原因調査に時間がかかっていただけ、と言った時間消費型作業が多く、気がつくと技術的な成果が過去1年の間に何も無かったりする。
  • 思考停止に陥ってしまう
    物事を考えるには落ち着いた時間と心のゆとりが必要だ。朝から晩まで忙しさが続く状況では良いアイデアは生まれないし、建設的な議論も出来なくなってしまう。知人と顔を合わせる度に互いの忙しさを確認しあうのは、腐敗した職場の証拠だろう。
  • 本質的な作業が手薄になってしまう
    「xx対策会議」という名目の打合せの連続だったり、「xx報告書」という言い訳資料ばかり作っていると、一体何のために開発作業を進めているのか分からなくなってしまう。打ち合わせや資料が必要な理由は分かるけれど、間接作業は必要最小限に抑えたいものだ。

忙しい環境を改善したかったら、その忙しさの根本原因を追求すること、そして対策を施すだけのことだ。何も努力しないのに忙しさが解消しないとボヤくのは、少々虫の良すぎる話だと思う。

長時間労働をしたくなければ、「固有技術で勝負」「仕事の時間と無関係な稼ぎ方」を目指せば良いのです。もちろん、なんの努力や工夫もせずにそうなれるわけはありません。頭を使って、自ら行動して、そういう状態を目指さなければなりません。口を開けて待っていても儲かる仕事は回ってきませんし、不景気ですので、そもそも儲からない仕事でも回ってこない時代です。仕事を選択するのは自分自身の意思です。

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