コミュニケーションを引き起こすための回答方法

ソフトウェアの開発をしていると、社内外のあちこちから様々な問い合わせが来る。

  • ◯×という機能は利用可能なのか?
  • △■という仕組みについて教えて欲しい。
  • □▼を実行する方法はないか?

社内からの問い合わせなら、情報が記載されている掲示板やwikiへのリンクを送ればよいし、さらに詳しい情報を求められているのなら該当する仕様書が置かれているファイルサーバへのリンクを送れば良い。基本的に個人には情報を保存しないのがチームの方針(個人のメールやパソコン内にしか存在しない情報管理は厳禁)なので、何処か公の場所に必ず情報は有るはずだ。

しかしながら、正論ばかりでは通用しないのが世の常なので、今までに無かった新しい類の問い合わせというものも多数やって来る。そんな時は仕方ないので、情報共有という意味も含めて、一連のやり取りを掲示板に乗せておく。これなら少なくとも次回以降の問い合わせに対しては、手間をかけずに対処することが可能になるはずだ。

そんな形で情報のやり取りは効率化できるし、ノウハウも蓄積されていくのだけど、機械的に答えを返すのも、実はあまり好ましくない面が有ると個人的には思っている。質問者が単に情報を求めているだけなら良いのだけど、実は何か意図が有って聞いてきているのかもしれないし、聞きたいことが実は他に有って、その一環として聞いてきているのかも知れない。本当に回答一つで済む程度の要件なのだろうか?

問い合わせに対して、単に「出来ます」「仕様なので出来ません」とぶっきらぼうに答えるとやり取りは終わってしまうけど、質問をきっかけとしてコミュニケーションを重ねていけば、相手の意図している本当のことが見えてくるかも知れない。特に背景の異なる人や、今までの経緯を知らない人からの問い合わせは要注意だ。まずは質問の意図や背景を確認してから回答すべきだし、相手の追加質問を誘発するような回答と言った工夫も必要だと思っている。