モチベーションアップという幻想

クリスマスが終わり、年末年始の休みが近づいてきた。特に予定があるわけでは無いけど、休みが間近になると心が弾む。こんな休みがあるからこそ、仕事に打ち込めるのだと思うが、世の中にはそんなモチベーションを砕いてくれる有り難い発言も存在する。その一例:

  • 隣のチームは夜遅くまで頑張っているのだから、お前らも出来るはずだ。
  • 高い給料を貰っているのだから、それなりの成果を出すのは当然のことだ。
  • 会社のお金で教育訓練の機会を与えられているのだから、有難く思え。

悪気があって言っているのではないと理解はしているけれど、こんな趣旨の発言を繰り返す人の意図が良く分からない。本人としては発破をかけるための発言だと思っているらしいが、そもそもこんな事を言われてやる気を出す人がいるのだろうかと甚だ疑問に思う。少なくとも自分の周囲の反応を見るかぎり、やる気を出すどころかかえって逆効果を生み出しているようにしか思えない。

自分の思いのままに他人を動かすのは非常に難しいことだ。褒めてこそ人は前向きに動くのであって、貶されたり嫌味を言われるだけでは動かないと思う。君なら出来るとポジティブ方向に励ますのが基本であって、ネガティブ方向との比較はご法度のはずだ。どうしてその程度のことが分からないのだろうか。厄介なのは、そんな事を言う人自身がそのような言葉を浴びて育ってきた(らしい)ので、本人には悪いことを言っているという自覚が無い点だ。これはもう負の連鎖としか言いようがない。

人のモチベーションを低下させるようなリーダに、集団を統率する力が備わっているとは到底思えない。そんな訳で、こんな人の存在は反面教師としては役立つものの、見習うべきリーダシップとは認めないことにしている。



関連