開発現場の不満を取り除くのがリーダの仕事

ソフトウェア開発現場に種々の不満は尽きないけれど、そんな担当者の不平、不満、要望、要求を一つ一つ取り上げて対処し、決して無視しないのがリーダの大切な仕事ではないかと思う。担当者が快適に、しかも気分良く仕事を進められるからこそ、チームとしての力が発揮できるのであり、成果物のQCDにも繋がるのだろう。チーム管理というとメンバに対して「あれをやれ」「これをやれ」と指図することが仕事だと思われがちだけど、同じくらいに大切なのはその仕事がスムーズに進められるようにお膳立てをすることだと思う。

優れたプロジェクトリーダは、メンバとの話の中から種々の問題を確実に捉え、解決に向かって努力することが多い。仕事の進め方、作業方法、工夫など、仕事に直結することから間接的なことまで、チームや開発者の個人レベルで改善出来る問題は少なくないはずだ。「チームとしてここまでは改善出来る、これは理由があって対処できない、これ以上は自分の権限では対応できないので自分が申し入れる」と明言すれば、次に動くべき立場の人は明らかになるのだから*1、事態は一歩改善するはずだ。

もちろん、中にはわがままな要求であるとか、組織や会社の枠組みで考えなければならないレベルの案件*2も有るけれど、そのようなものでもリーダが自ら上位のリーダへ働きかけを行うのが筋だろう。問題が発生するプロジェクトのリーダというものは、なぜかそのような責務を放棄しがちで、開発現場に問題が発生するのは当たり前、仕事に関わらないことまで付き合っていられない、と開き直っている節があるのは残念なことだ。

個人的には、リーダが下記の態度を取るとオシマイだと思っている。

  • リーダ自身がメンバに対して自らの不平・不満を並べている。
  • リーダが、開発現場の問題を自分自身の課題として認識していない。
  • リーダが現場の問題を見て見ぬふりしている。
  • メンバに対して強権を発することが自らの使命だと思い込んでいる。
  • リーダが現場の問題を握りつぶして何も対処しない。
  • リーダが「難しい」「時間がかかる」「組織の問題だ」と言い訳をする。
  • リーダ自身に問題解決の能力が欠けている。



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*1:究極的に動くべきは、もちろん企業や組織のトップだ。

*2:例えば「給料が低い」という不満については、売上で入ったお金がどのように巡って給料に反映されるのか?という点の説明責任が欠けているのかも知れない。