メールと情報共有の接点を考える

新しい年度が始まり組織や人の異動が行われて一番困るのは、開発情報が人のメールボックスと共に移ってしまうことだ。確かに、関わった開発案件について、当人が情報抱えているのは分かるのだけど、人や組織体制が変わっても開発は継続していかなければならないのだ。だからこそ、メールやり取りされた情報は、本人がいなくなった後で誰でも参照できるように、イントラネットの何処かに残しておいて欲しい。

幸い、社内にはメールのやり取りを公開するための仕組みがあるのだけど、そのような仕組みを有効活用せず、自分の守備範囲内でのみ情報が得られば充分と思ってしまう人が多いのは嘆かわしいと思っている。そんな人に、当人がいなくなった後の状況を説明して記録を公開しておくことの重要性を説いてみても、どういう訳か分かってもらえないことが有るし、やがて情報共有を放棄してしまうことも多い。

情報の共有を図らなくて困るのは、ずっと後で業務を引き継ぐ「誰か」なのだ。その仮想の相手を想定して情報を残しておくことが、自分の役目だと思って欲しいと思う。Tracのようなwikiを活用すれば「本文はwikiに書いておき、その更新連絡のみメールで伝える」と言った工夫が可能だし、「共有フォルダに置いてあるファイルへのリンク」を記載しておけばメール本文に長々と書き連ねる必要はない。

メールにはそれなりの良さも有るし、目的と用途によっては欠かせないツールだが、情報を残しておくという点ではやや役不足の感が否めない。人が変わっても情報自体は移動せず、そのまま次の人へ引き継げる形での情報共有が大切だと思っている。



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