作業はいつでも前倒し

納期が決まった仕事は多いけれど、締め切りの期日までのんびりと待って作業しているようでは一人前とは言えない気がする。締め切りは「要求側が求める最終期日」程度の意味と捉えて、自分の中では納期よりもずっと前に締め切りを設定しておき、少しでも早い時期にアウトプットを出すべきだろう。

作業が締め切りより遅れて困る人は多いけど、納期より早く仕上がった仕事を困る人は少ないはずだし、そもそも予定通りの仕事を片付けてようやく平均レベルなのだ。成果にプラスアルファを付け加えようと思ったら品質向上や納期短縮が容易な方策だが、品質の善し悪しは別の評価基準が必要なものの、納期を縮める方は誰にでも明らかに分かることなのでプラスの評価が得られやすい。

以前、協力会社からの納品が深夜にずれ込んだ時、「期日には間に合いました」と豪語してくる人がいた。確かに契約に記載された日付通りなので目くじらを立てるものでもないのだけど、ビジネス上の常識としては遅くとも業務時間内に納品するのが筋というものだし、第一そんなギリギリ勝負をしてくる会社に今後の仕事を任せて大丈夫なのかと不安になってしまう。

もちろん、世の中全て思い通りの予定で片付くとは限らない。他の人のアウトプットを待つ必要が有るとか、別の急ぎの仕事が入ってしまったとか、障害がいろいろ出てくるのは仕方ない。でも、だからと言って「前倒しなんて出来ません」と断言してしまうのは惜しい。まずは自分の中で出来る範囲から素早く仕事を仕上げてしまうような流れを作っていきたい。自分がそのような習慣を作っていくと、不思議なもので周囲の人も同じように納期前倒しの仕事を普通に行うようになってきて、やがてチーム全体が良いテンポで回る状態になるように思う。

なお、経験則によれば、納期より早い時期にアウトプットを出してくる人は、大抵の場合、品質も高くて、逆に納期ぎりぎりに出してくるような人の品質はあまり良くないことが多い。一例を挙げると、納期間近にコミットされたソースコードはかなりの確率で品質が悪く、潜在的な障害を抱えていることが少なくない。学生時代の宿題のように「締め切り効果」を期待するのは悪くはないけれど、出来ればもっと早い時期にゆとりを持って努力すべきではないかと思っている。



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