技術士試験体験記〜筆記試験編

技術士第二次試験(情報工学)の筆記試験は豊中大阪大学で受験した。真夏の暑い最中(2007年8月)だったので駅から大学までの道のりを歩くだけで汗びっしょりになってしまったが、幸い会場は冷房が効いており、受験環境は非常に良かった。

必須科目

選択問題(2問中1問選択)について20分ほど時間をかけて検討し、株誤発注問題を選択した。少々意表を突く出題だったのではじめは驚いたが、障害の状況ついては問題文に詳しく記載されていたので、特に記憶力を試すような問題でもない。社会インフラとしての信頼性を揺るがすシステム障害が発生しているが、技術士としてどんな対策を提案出来るのか?というのが出題の趣旨と理解した。

問題の原因や背景については既に各メディアや雑誌等に詳しく載っていたので、それらに目を通していたらかなり容易に書けるように思う。もちろん、「ソフトのテストを強化する」程度の記述では技術士としての力量を疑われるので、プロセス改善や開発手法、検証技法など様々なキーワードを散りばめて自分の知識の幅広さをアピールしておく必要がある。金融システムの開発なんて関わったことは無いけど、ソフトウェア開発の基本は同じ。単に応用分野が異なるだけだ。

選択科目(コンピュータ工学)

選択問題(5問中2問選択)については省略。知っていることを書くだけなので問題ないだろう。

必須問題は携帯電話の新機能提案に関する出題。問題文から分かるようにiPhoneを強く意識した問題だ。iPhoneが発表されたのは2007年1月のMacWorld SFだから、非常にタイムリーな話題と言える(2007年8月の試験実施時点では国内未発売)。海外ではiPhoneのような新しいタイプの携帯電話が登場している、このような状況で日本の携帯電話として何を提案できるのか?というのが出題の意図と理解した。

国内の携帯電話業界に檄を飛ばすような出題だが、こちらもiPhoneの仕様や機能に興味を持って情報を集めていた人なら、容易に回答を書けると思う。「iPhoneなんてMacユーザのオモチャでしょ」と言って近寄ろうとしなかった人には、少々苦しい問題だっただろう。携帯電話なんて業務には全然関係ないし、当時は実物のiPhoneすら見たことがなかったけれど、Appleのサイトで操作方法のビデオを見たり、分解レポートを読んだり、機能の紹介記事を読んだりするなど、丹念にニュースを拾って仕様を熟知していたので書く材料は豊富だった。

また、仕事では自分で方針の検討や製品の仕様も決めることが多いので、そのような経験も生かされたように思う。お客さんの言われるままにソフトを作っている受託型のビジネスしか経験していないと、自分でゼロから提案することに慣れていないので、少々書きにくい問題だったかも知れない。

平成19年度技術士第二次試験(情報工学部門)の試験問題は下記のサイトで配布されている。頭の体操として考えてみると面白いだろう。

平成19年度に出題された技術士第2次試験の情報工学部門の問題

情報工学部門_平成19年度技術士第二次試験の試験問題の詳細情報 : Vector ソフトを探す!

回答例も販売されているようだ。(内容を見たことはないけど)

ベテラン講師が作成した情報工学部門の選択科目の全科目と必須科目である情報工学一般の全24事例(我国最大事例)公開!!

平成19年度技術士第二次試験「情報工学部門」合格答案作成手解き集−全問題24事例−