技術士試験体験記〜セミナー編(1)

2006年の技術士第一次試験(情報工学)に合格したので、2007年の年明けと共に第二次試験対策の情報収集を始めた。受験対策本は既に幾つか読んで情報を集めていたので良いとしても、気になるのは試験対策セミナーの方だ。かなりのお値段だが、参加するだけの価値はあるのだろうか?特に経験論文など正解が無いものを客観的に評価してもらえるのなら、有りがたいのではないだろうか?

そんなことを考えていたら、ちょうど対策講座の説明会が行われるというので情報収集を兼ねて参加してみた。セミナーの宣伝みたいなものだから参加料も格安(1000円)で気軽なものだ。(2007年1月)

参加する前に考えていたポイントは下記の通り。

  • どんな人が技術士試験を受験するのか?
  • 試験対策セミナーを受講した方がよいのか?
  • 試験対策について何か有益な情報は得られないか?

会場には勤め帰りのサラリーマンがらしき人が100人以上も集まり、なかなか熱気のこもった説明会となった。年代的には中高年層が多く、若手や女性の姿は非常に少なかった。なるほど、こんな人たちが技術士を目指すのかと感心しつつ、予想以上に平均年齢が高い*1ので少々驚いた。(別に私も若くはないけど)

話は講師である川崎紀久雄氏の独演会とも言える内容で、技術士に求められる資質とは何か、どのような経験論文を書くべきなのか、不合格になる論文はどのようなものなのか、どのような勉強をすべきなのか等々、非常に実践的かつ具体的な内容だったので大変参考になった。2時間ほどの説明ではあったけれど、技術士試験指導に対する熱意がダイレクトに伝わってくる講演で、その迫力ある話しぶりには圧倒されてしまった。

講演の後で質疑応答が行われたのだが、会場から出るあらゆる質問に対して歯切れの良い明快な回答を連発し、技術士制度に疑義を申し立てるような質問には「貴方は技術士なのですか?そのような質問は技術士になってから言って下さい」とバッサリ切り捨てていた。かなり年配の方のように見えたのだが頭の回転の速さには驚くばかりで、技術士はかくあるべしという姿を体現するような方であった。

この川崎氏の講演に感動したので、セミナーも申し込んでみることにした。決して安くない金額ではあったが、川崎氏のような有用な話を聞けるのなら安いものだと思ったからであり、また、仮に試験に落ちた場合に「セミナーを受けていれば合格できたかも知れないのに」と悔やむことを避けたかったというやや担保的な意味合いもあった。

*1:平成19年度第二次試験合格者の平均年齢は41.6歳。(出典:日本技術士会統計資料