隣の会社の成果主義

知人が勤める会社について相談を受ける。

  • 成果主義は導入されたものの、昇格制度はあるが降格制度は無い。役職が上がった人の既得権はガッチリ保護されている。
  • リストラの時、一般社員は削減対象になったけれど、管理職は一人も辞めなかった(対象にならなかった)。
  • プロジェクトが失敗して平社員は地方へ飛ばされたが、管理職は何のお咎めも無かった。
  • 業績の評価内容について何も教えてくれない(フィードバックの仕組みが無い)。
  • 平社員は上から下まで評価が分かれるが、管理職は全員良い評価をもらっている(もらう仕組みになっている)。

他人の会社のことだから基本的にどうでも良いのだけど、第三者的な立場で見れば少々変わった会社ですねとコメント。成果主義なんて所詮こんなものとは言え、ここまで露骨に待遇の差がついているのはどうかと思う。当然の如く、社員の不満は高く辞める人が多いとか。耳の痛い忠告をしてくれるブレーンが無く、周囲にイエスマンばかり並べる人間にろくな奴はいない。そんな会社は早く見切りを付けた方が良いのかも知れないと回答した。

当然、それを覚悟で文句を言う部下もいるだろう。そのような人でも昔なら、「あいつの態度は気に入らないけど順番だからやらせるか」と、管理職にもなれたかもしれない。けれど、選ばれた人しか上に昇れない仕組みは、反骨精神あふれる人材には生きにくい制度となるだろう。昔は「上司に逆らうと出世が遅れる」と言われた。今は「出世がなくなる」のである。

成果主義の弊害と弊害と弊害 | 日経 xTECH(クロステック)