会議へのノートPC持ち込み厳禁
会議へノートパソコンを持ち込むのが普通になったのはいつの頃からだろうか?昔は会議の席までパソコンを持ってくる人なんていなかったのに、プロジェクタで資料を見せた方が分かりやすいとか、その場で議事録を作ると便利等の理由により、ノートPCを持ち込む人が増えていったように思う。確かに悪いアイデアではない。膨大な資料をプリントアウトして持ち込むより、その場でファイルを開く方が紙資源の消費が抑えられるし、地球環境にも優しいのかも知れない。後で議事録の確認依頼メールを出すよりは、その場で確認した方が手っ取り早い。作業は確かに効率化したのだ。
しかし、時代は変わってしまった。気がつくと出席者全員がノートPCを持ち込むようになってしまった。それで会議が円滑に進むのなら良いのだが、事態は逆に悪くなる一方である。例えば、会議中に未読メールを読みふける奴、メールの返信を熱心に書く奴、会議には関係ない資料を開いている奴等々、これでは会議は進まない。説明をしたところで聞いている人は少ないし、話を進めようとしても「聞いていなかった。今の話をもう一度」なんて言われるのがオチだ。「もっと議論をしましょう、部長」と言ったところで肝心の上司が「これ、急ぎのメールだから」と屁理屈を並べるのだから始末に負えない。
もうこうなったら実力行使に出るしかない。会議の実施要項は次の通りとする:ノートPCの持ち込みは禁止、会議中に内職する奴は即刻退去、携帯電話への応対は部屋を出てから、但しその間の議事は全て議長へ一任等々。これくらい実行しないと、会議は進まないのだ。こんな馬鹿げた事態になっているのはごく一部かと思っていたら、「フラット化する世界」(トーマス・フリードマン著)にも同じような話が載っていた。こんなところまで世界はフラット化しているのかと、驚くやら呆れるやら。困ったものだ。
会議も同じで、かつてとは様相が一変している。出席者の半分が、テーブルの下でパーム・パイロットやブラックベリーの携帯端末を確認し、ときどきうなずいたり、視線を投げたりするだけだ。テーブルを囲んで会議をはじめようというとき、私はかならずこういいたくなる。「ようし、みんな両手をテーブルに置け。10本の指がぜんぶ見えるようにしておくこと。ブラックベリーの使用は厳禁」出席者にちゃんと話を聞いてもらうには、そうするしかない。
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