本日のお買い上げ〜はじめての課長の教科書

NED-WLTで著名な酒井穣氏の本。著者の豊富な経験に基づいた実践的なアドバイスには同意できる点が多く、特に目新しいノウハウが有るわけでもないのに「やっぱり、そうだよね」と頷いてしまう内容が多い。初めて課長になる人向けに書かれた本だが、管理職だけではなくグループのリーダや組織の取りまとめ役をしている人にも広くお勧めしたい。課長が持つべき必須スキルはもちろんのこと、社内政治等の「非合理なゲーム」への付き合い方にも言及しているというユニークな内容が特長で、今までこのような本が存在しなかったのが不思議なくらいだ。組織の中をそつなく生き抜くというやや消極的な(?)姿勢が気になるものの、本の内容を理解して実践出来れば、ほとんどの職場で課長として活躍していけることだろう。

もっとも、現実の会社の中では、実力だけではなく政治力で昇格したという人が少なくない、という事実にも気をつける必要がある。このような人たちは、自分の能力を過信するあまり、部下を怒鳴りつける事が自分の使命と思っているフシがあるのだ。管理能力も統率能力も無い管理職は悲劇を通り越して喜劇という感じもするが、残念ながらこれが実状だ。最前線の現場で闘う担当者は、この本の「あるべき課長の姿」を参考に、自分の課長を比較してみるのも面白いかも知れない。

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書