自分への投資は盛大に行うべき

ネットで検索すれば(内容の良し悪しは別として)どのような情報でもヒットする時代なので、情報を集めるための時間的、経済的なコストは以前に比べて劇的に下がった。だから、無料の情報を検索するだけでも結構な分量が集まるし、例えばそれだけで自分のソフトウェアを作ってリリースすることも充分に可能な時代となっている。これはこれで素晴らしいことだと思う。

しかしながら、あらゆる有益な情報がネットで得られるかというとそうでもない。延々と無益な検索を続けるよりも専門書を1冊手に入れて読んだ方が手っ取り早いこともあるし、最新情報を学ぶためには有料セミナに参加する必要が有ることもある。検索された情報が全てだと安易に思い込みがちだけど、実は「美味しい情報」というものはなかなか表には出てこないものなので、それなりの対価を払わないと入手できないことも多い。

有料セミナーのレポート記事もニュースサイトには載るものの、自分が参加してみると分かるように、記事として出てくるのは記者というフィルタを通したほんの一部の情報に過ぎないので、自分が会場で実感した感想とは大きく異なることが珍しくない。だから、自分の時間を割いて会場に行き、自分の目と耳で実際の講演内容を確認した方がずっと確実だし身につくものが多い。人が判断した情報よりも、自分自身が判断した情報の方がはるかに貴重なのだ。

そんな訳で、自分への投資という意味ではケチケチすることなく盛大に行うべきだと思っている。例えば、語学を学ぶのなら最高の辞書と教材を使うべきだし、プロを目指してソフトウェア開発を行うのなら最高スペックのPCと大型モニタという環境を利用すべきだろう。遠隔地で行われる専門のイベントに参加したり、書店で本棚1列分の専門書を買ったところで大した額ではないし、それで自分自身のスキルを向上できて視野を広められるのなら、実に効率的な投資だと思う。もちろん高価なものを使うからと言って確実にスキルが身に付くという保証は無いけれど、自分の努力をサポートするものがお金で解決できるのなら、それは一つの合理的な投資判断だろう。

自分への投資を惜しんではならない。投資した結果は必ず自分の身に付くものだし、自分自身を向上させるためには不可欠ものだと思っている。