三者三様の立場で忘年会

久しぶりに懐かしいメンバが集まって忘年会を開催した。集まったのはこんな面々だ。

  • 希望退職(リストラ)で会社を辞め、他の進路へ進んだ人々
  • 自己都合を理由に年末で会社を辞め、これから転身する人々
  • 相変わらず会社に残って働いている人々(ワタシを含む)

昔、同じ会社でそれぞれ異なるチームで働いていた時にはソフトウェア開発を巡って侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしたものだけど、このような忘年会の場でも相変わらず似たような議論をしているのは面白い。人間、立場は変われども、興味の対象はそれほど変わらないのかも知れない。

既に他社で働いている人からは、企業文化や仕事の進め方に関する違いなども話を聴くことが出来て、驚くやら感心するやら呆れるやらで色々な意味で勉強になる。もちろん、それらの評価は相対的なものだから、どちらかのやり方が正しいというものではないけど、会社を離れて初めて気づくことも有るようだ。実際、そのような人からは「こんなやり方では他社で通用しないぞ」と先輩気取りの強気なコメントが出る一方、これから他社へ進む人からは「自分のスキルで通用するのかとても不安」というやや弱気のコメントが出るのが共通していて面白かった。

そんな話を聞きながら、同じ社内にいた頃には半ば罵倒の議論をすることが珍しくなく、このような形で集まりの場を持つなんて想像できなかったことを思い出した。会社という枠組みを離れたことが縁の切れ目となって音信が途絶えてしまうことも珍しくないけれど(その気持ちは、それはそれで良く分かる)、それぞれに異なる立場に移りつつも繋がりを持てることには感慨深いものがある。共通の問題意識を持ち、少しでも改善していこうと奮闘する気持ちがこのような関係を保っているのかも知れない。*1

会社を辞める人からは「転職を契機に技術士を目指す決心をしました」(頑張れ)、「あなたと一緒に組んで仕事をしたかった」(ホントかよ)、「いろいろ教えて頂きありがとうございました」(本に載っている程度のことですが)等の嬉しいコメントもあり、引き続き会社に残る身としては、辞めていった仲間の分も含めてもう少しだけ頑張ってみようかという前向きな気持になった。会社と人との関係はある意味でドライになりつつある時代だけど、人と人との関係は決して失われないものなのだと思っている。



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*1:残念なことにこのような集まりには決して呼ばれない人も存在する。その人が主張する意見の是非というよりは、そもそも同じ問題意識を持てるか否かがポイントのような気がするけれど、さてどうなんだろう?