開発現場の愚痴は減らないけれど...

ソフトウェア開発の現場では開発者の愚痴が少なくない。あいにく他の業界のことは良く分からないけれど、「業界別愚痴発生量ランキング」を測定したら、かなり上位に位置することだけは間違いないと思っている。ブログや掲示板に慣れている人の比率が高く情報発信率が高い(?)のも一因かも知れないが、それにしても仕事をする人の中に溜まっている不平不満が大きいように感じられる。

もちろん、前向きな気持ちを持つ人ならそのような状況を改善すべく努力をするものの、そのような建設的な意欲というものは得てして跳ね返されがちだし、既得権を持つ立場の人から反感を買うことも少なくない。そんな状況を横目で見ているその他の人は「やっぱり何も変わらない」とさらに意気消沈していくようだ。

でも、(このような言い方をしてしまうと身も蓋もないけれど)上司が悪いとか、会社が悪いとか、発注元が悪いとか、親会社が悪いと言うのは自明の理屈であって、特に騒ぎ立てる必要なんて無いと思う。今も昔も悪いものは悪い、あまりに酷いので変わり様がない、それだけのことだ。騒ぐだけ無駄かも知れない。

問題はその状況から如何に学び、自分自身を向上させていくか?ということだろう。例えば、自分が代わりにその立場だったら、どのような代案を取れるだろうか?部下に愚痴をこぼされないような的確な指示を出せるのだろうか?協力会社に恨まれない依頼を出せるのだろうか?自分は同じ過ちを繰り返さないだけの工夫が出来るのだろうか?このような思考実験を繰り返してイザという時の準備をしておき、それを実践する機会を伺うのが賢い選択だと思う。

忘年会で憂さ晴らしに愚痴をこぼすのは大いに結構だけど、それで終わってしまっては相手と同じレベルになってしまう。さらに一歩上を行くための賢い考え方が必要だと思っている。



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