そのプライドが邪魔をする

仕事で経験を積むにつれと、大体のことは自分で出来るようになるし、発生する問題に対しても対処できるようになる。ソフトウェア開発なら、自分でソースコードを書くだけではなく、要件定義や効率的なテスト作業が出来たり、確実なプロジェクトの管理を行えるようなものだ。なるほど、頼りになるベテランとはこんな人のことを指すのかと感心する反面、これぞベテランの対応だと思わざるを得ない場面にも度々遭遇する。例えば、こんな時だ。

  • 勉強会の案内が来た時、題名を読んだだけで「自分には関係ないこと」と門前払いする。
  • 新しい技術の話が出た時、内容を知らないのに「○×みたいなものでしょ」と独りよがりの論評を行う。
  • 若手が出した改善提案に対して、客観的な評価より自分の経験に基づく判断を優先させてしまう。
  • 問題点をアレコレと指摘できる反面、それを解決するための自発的なアクションを取らず常に評論家の姿勢を貫く。
  • 世の中の新しい技術に疎く、若かった頃に経験した古い技術の話を何度も繰り返す。

知らないことが多いです、だから勉強しています、と謙虚な姿勢を持つ若手の方がチームへの貢献度が大きく今後も成長するような気がするし、逆にそんな姿勢を持てなくなったらチームワークを乱すだけで、開発者としていよいよ老化現象が始まったようにも思う。

プロフェッショナルとしての誇りは高く持って欲しいものだが、それが空回りを示すようでは虚しい限りだ。周囲から尊敬されるベテランと、疎ましく思われる似非ベテランに分かれるのは、実は本人が持っているプライドの差によるものであり、それは歳を重ねるに連れて、本人の自覚の有無に関わらず静かに蓄積されていくものではないかと思っている。だから、気をつけましょう(と自分に言い聞かせている今日この頃)。

何かに詳しくなればなるほど、その分野での新しい動きやアイデアに否定的になります。
気をつけましょう。

2009-01-01



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