リーダーの判断力

自分たちが提供する製品・サービスの市場シェアが低いという調査結果が出た場合、客観的な事実であることには違いないので同意する人がほとんどだろう。厳密に言えば、シェアの測定方法とか対象範囲とかいろいろ有るけれど、正反対の結果が出ることなんて無いし、大雑把な傾向として大した違いではないはずだ。

しかしながら、この数字をどう解釈するかという点については、意見が大きく分かれる。

  • 市場拡大の余地があることを意味する。だから積極的に取り組むべき。
  • 他社に負けているのだから勝ち目はない。速やかに撤退すべき。
  • 今まで続けてきたのだから、ここで中止するのは勿体ない。継続して頑張るべき。
  • 収支はトントンなのだから、現状維持で充分。何も変えるべきではない。
  • 他社並みに力を入れれば、シェアはもっと上がるはずだ。

どの主張もそれなりに理屈が通ったように聞こえるところが怖い。立場や関わり方の違いで意見にバイアスが出ているのだろうし、各人の思い入れも様々だ。第三者的な立場では屁理屈のように聞こえても、当人は熱き思いを込めて持論を展開するのでややこしい。役職が高い人が主張すればなおさらだ。

でも、こんな議論を延々と続けてもキリがない。全員の意見を集約してひとつの方向性を打ち出すなんて不可能だろう。多数決を取っても賛成多数を得られるものは出てこない。少々独裁的だけど、最後はリーダーが責任を取って何らかの判断を下すべきではないだろうか?節目毎に明確な結論を出すから、また次のアクションが可能になり新しい展開が生まれるはずだ。意見がまとまらないから「結論は次回に持ち越し」という先延ばし状態は最悪だと思う。(...と某所での議論を聞きつつ感じたのでした)