規格競争に乗り遅れる日本

今朝の朝日新聞(GLOBE)にこんな記事が載っていた。

EUのローズ規制に倣った化学物質規制は、その後、米カリフォルニア州、中国、そして日本へと広がった。ほかにも、家電製品などの安全規格の適合表示「CEマーク」や、すべての化学物質の管理を目指す規制「REACH」など、EUの規制・規格が世界を席巻する。

朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト

国際規格なんて美しく聞こえるけれど、実際には自陣営に有利な材料をいかに多く盛り込むかというエゴとエゴのぶつかり合い方が大きい。堂々と議論して話をまとめることより、裏でコソコソ根回しして談合で話をまとめることを得意とする日本人には苦手な分野だ。スポーツ競技で「日本に不利なルール改正が行われた」と報道されることが良くあるけど、これは公平な議論に負けたのではなく、エゴ丸出しの政治的な駆け引きに敗れた結果と理解すべきだろう。

以前に、海外の会社も絡む規格策定に関わった時、社内からはこんな反応が出た。

  • 規格の作成は他社に任せておけばよい。
  • 協力しても自社の利益にならない。
  • そんなものに関わる余裕は無い。
  • 自社として標準規格を使う立場で充分である。

結果として規格作成に直接関与する機会を失ったため、後で情報入手が遅れてエライ目に合ったのだが、こんな他人任せの姿勢が、実は自分に不利な結果になることに気づいていない人が多すぎると感じる。なぁなぁという馴れ合いが通じるのは日本国内だけの話であって、自社のビジネスをいかに合法的に展開させるかという欧米の企業とはスタート地点で早くも負けているのだ。例えば、昨今の環境ビジネスなんて、国際規格の名の下に誰が巨額の利益を得ているのか今一度考えるべきではないだろうか。

各国の委員と話をすると,実はライバルメーカーの社員だったりするのです。しかも,国際的な標準化の見地というよりも,自分の企業のメリットとしかならないような見えすいた規格の策定や規格の改定を提案してくる委員もいるといいます(もちろん,否決されるらしいのですが)。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20060228/113771/