ゴッドハンドの思考法

会社のソフトウェアテスト部隊には、ゴッドハンドの異名を持つテスト担当者がいる。彼の腕にかかると、通常の人では見つけられない不具合もあっという間に見つかると以前から評判だ。開発者の方は、彼がテスト担当に当たると分かると、暗澹たる気持ちになることが多い。問題の指摘は桁違いに多いし、指摘内容も鋭いことが多いからだ。彼がどのようなテストをやっているのか興味を持っていたので、テスト作業を見学しつついろいろ聞いてみた。

  1. 仕様書の記載が曖昧で、読んでも理解できなかったところをソフトで確認してみる。仕様書の出来が悪いと、ソフトの品質も悪い。
  2. ソフトの不具合傾向を記録しており、そのリストに従って確認している。同じような不具合は何度も繰り返し起こることが多い。
  3. xxx(開発部署、協力会社、担当者等)のソフトは問題が多いと分かっているので、重点的に確認を行うようにしている。

秘伝のコツがあるという訳ではないのね。特別なことをやっているわけではないけれど、強いて言うなら自分なりのテストプロセスのフィードバックがうまくできていると言う点だろうか。作業で得られた経験は欠かさず記録しているし、その記録を元にテストのプランを練っているらしい。彼なら恐ろしく品質の良いソフトが作れそうな気もするけれど、そちらの方面に興味は無いそうだ。開発側へリクルートしようと思っていたのに残念。