技術士試験体験記〜科目選択編

技術士第二次試験(情報工学)の選択科目としては、「コンピュータ工学」「ソフトウェア工学」「情報システム・データ工学」「情報ネットワーク」の4つがある(2007年)。仕事としてはソフトウェア開発が専門なので、技術士第二次試験情報工学部門の選択科目として一番近い「ソフトウェア工学」を選択するつもりだったが、科目を選択するのは受験時ではなく願書の提出時だ。実際の問題を見て科目を変えることが出来ない以上、よく考えて科目を選択する必要がある。

過去問を調べたりセミナーで講師の方の話を聞いてみたところ、「ソフトウェア工学」を選ぶ作戦はあまり得策ではないように感じてきた。理由は下記の通り。

  • 過去の科目別合格率を見ると、「ソフトウェア工学」はかなり悪い。
  • 過去問を見てみると、正解が一意に決まりにくい出題(UMLで図面を描く等)が多く回答を書きにくい。

情報工学部門の科目別合格率は下記のようになっている。過去の結果(2006年以前)を見る限り「コンピュータ工学」の合格率は「ソフトウェア工学」の2倍以上だ。これなら合格率の高い「コンピュータ工学」を選択した方が得策ではないだろうか?過去問を見る限り、どちらの科目とも出題内容は守備範囲に入っている。わざわざ合格率の低い科目に真正面から挑んで玉砕するのは勿体ない気がする。どの科目を選択して合格しても技術士技術士なのだ。

部門 2004年 2005年 2006年 2007年
コンピュータ工学 41.4% 31.6% 25.0% 14.0%
ソフトウェア工学 14.0% 10.9% 9.6% 8.9%
情報システム・データ工学 16.2% 12.8% 10.6% 6.5%
情報ネットワーク 12.5% 17.2% 21.8% 25.3%
平均 17.9% 15.5% 14.2% 11.1%

出典:日本技術士会統計資料

どの科目を選択するか願書提出の締切直前まで散々悩み、結局「コンピュータ工学」を選択した。この辺は大義名分よりも合格し易さという実利を優先させた結果だと思っている*1。なお、出願書類の「専門とする分野」には堂々とソフトウェア開発と記載したが、面接試験では何も問われなかった。

なお、上記の表には、受験した2007年の結果も記載しているが、選択した「コンピュータ工学」の結果は予想外に悪かった。出題内容が異なるとは言え、最も合格率が高い科目は、最も低い科目の4倍近い。科目間での合格率がこんなに違うのはいかがなものかと思っている。

*1:試験対策セミナーでも講師の川崎氏が同様な判断をして科目を選んだと言っていた。この発言を聞いた影響も大きいと思う。科目選択の考え方については、以前に紹介した参考書に記載されている。