仕様の割り切り

ソフトウェア製品として全ての要求仕様を満たしている必要はあるけれど、実際問題として諸般の事情により、実現できない仕様もいろいろ残ってしまう。そんな時の対応案として、こんなオプションが有る。

  1. 次回バージョン対応
    仕様の決定権がどの位こちら側に有るかによるけれど、「直ぐにマイナーバージョンアップをするから、今回は対応保留でお願い」というのは良く聞く話だ。
  2. 運用でカバー
    使い方を工夫することで何とか代替可能なので、ソフトとしては対応見送り。全然本質的な解決にはなっていないものの、これも良くある対処方法だ。
  3. 仕様書修正
    仕様書とソフトの食い違いが問題なら、仕様書の方を直して現状のソフトを「正しいもの」としてしまえばよい。但し、仕様書を勝手に変えるとあらぬ混乱を引き起こしかねないので、充分な根回しが必要。
  4. 要求仕様変更
    これも政治的な力がものを言う世界だけど、大元の要求項目を変えてしまえばソフトの対応は不要になったり、作業が楽になるので開発者はハッピーになれる。
  5. リリース延期
    次バージョン対応なんかダメ、運用ではカバー不可能、このバージョンでの対応が絶対に必要!となると仕方なく実装に向けて努力するしかない。当然予算はオーバー、納期も遅れてデスマーチへの階段をまた一歩上がることになる。

こんな選択肢が妥当なところだと思うが、これらを遙かに超越した中国製iPhoneモドキの解決策にはつくづく感心してしまう。同等機能を実現するためとは言え、あまりに潔い仕様の割り切り方だ。ここまで大胆な仕様を決定した人は、かなり凄い決断力だと思う。ジョークとして実装しているのだろうか。ここまでやるか?という仕様に、開発者の意地を垣間見る思いがするけれど、日本製品だったら決してあり得ないよねぇ。

電子地図。GPSとはどこにも書いていないが、まさか紙の地図のスキャンを表示するだけとは……(折り目もついてるし)

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