ブリッジエンジニアという存在

普段は残業したら負けと思っているけれど、珍しく休日出勤をする。オフショアで開発しているソフトの進捗が芳しくなく、ブリッジエンジニアのインド人達と共に不具合の修正確認や進捗状況の確認を進めるためだ。

遙々日本まで来ているのに週末まで働く彼らが気の毒になったので、ピザを取り寄せることにする。チーズ大好きの私としては、チーズのプレーンピザにチーズ増量、さらにトッピングにもチーズを追加という「スーパーゴールデンデラックスチーズピザ」を提案してみたのだが、「スコシ、チーズガオオイデスネ」というコメントだったので大人しくテリヤキピザを注文する。この辺りは好みの違いというものだろう。

インドのNew Yearについて話を聞きながらピザを食べていると、昔アメリカの会社に滞在していた時のことを思い出した。その当時は私がブリッジエンジニア(当時はこんな用語は無かった)のような仕事をしており、日本との電話会議を行う為に連日残業をしていて、しかも週末も会社に出たいと言ったら、先方のアメリカ人にお前は正気か?と目を丸くされた事もあった。

会社の代表として頑張れと言われて出発したものの、いざ現地で仕事を始めてみたら、対峙する相手は実は先方の会社ではなく、自分の会社だと分かったのもこの頃だ。鉄砲玉は前から飛んでくるものではなく、後ろから飛んでくるものであり、しかも狙われているのは相手ではなく味方のはずの自分だったりする。相手の会社と自社の中間という中途半端な位置付けにいるのは、精神的にかなり辛いものだ。ブリッジエンジニアという不利な立場にいるインド人の気持ちは、個人的には人一倍分かるような気がする。そんなわけでオフショアとのテレビ会議では現地のエンジニアにガンガン注文を付けるものの、こちらにいるブリッジエンジニアにはなるべく気を使って話をするようにしている。