ソフトウェア温故知新

日経エレクトロニクスをパラパラめくっていたら、菅野文友氏のインタビュー記事が載っていた。曰く

  • 「ソフトウェア開発はチームの英知を結集するもの」
  • 「信頼性の高いソフトウェアを開発するには、人的なミスの例を集めて平均値を取っても効果がない。管理図を駆使して、人的ミスの一つひとつの原因をきちんと追わなければならない」
  • 「例えば、田口玄一先生の『実験計画法』を読んだことがあるソフトウェア技術者はどれくらいいるのかね」

等々。ハードウエアから学ぶ云々という文句は好きではないけれど、言っている事は確かに正論。当たり前すぎる事なので黙って同意するしかない。本来、100万行単位の大規模なソフトウェア開発の現場でこそ役立つ知識のはずなのだが、今の時代に管理図を理解してバグを管理している組織はかなり少ないのではないだろうか?そもそも実験計画法はおろか、情報工学の基本すら分かっていない開発者が多すぎるのだ。ブログや掲示板に載っている断片的な情報を元にソースコードを組み立ててばかりいるので、ソフトウェア工学のイロハを知らなかったりする。こんな知識水準なら、技術を基礎から学んでいる海外の開発者に負けるのも当然という気がしますね。Googleだけがソフトウェア開発の王道ではないことを認識しましょう。古き時代の優れた知恵は今でも充分に役立つのです。

日経エレクトロニクス2008年6月2日号
「ソフトウエアはまだまだ,ハードウエアから学ぶべき」
菅野文友氏

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20080527/152457/