デブサミ2015に参加した

先週金曜日(2015/02/20)はデブサミ2015に参加してきた。会場はいつもの目黒雅叙園で来場者も多く、活気のあるイベントだった。

様々な抵抗や障壁を乗り越えて、アクションを成功させるためには、継続と改善のプロセスが必要です。言い換えれば、継続的にアクションを育てていくことが必要なのです。今年のデブサミは、Growthというキーワードを掲げ、アクションを育て、成長しようとするエンジニアを応援していきたいと考えています。

Developers Summit 2015 概要

参加したのは一日だけだったけど、聞いた講演の中では特に下記が印象に残った。

おさえておきたいモダンなチーム開発を支えるツール連携

個人的には未だに「Microsoftの人」という印象が拭い切れない、アトラシアンの長沢さんによる講演。今回は自社製品の一連のツールを使って、企画案件の登録から実開発に至る至る一連のワークフローをデモしていた。普段、Redmineでのチケット管理に慣れている身としては、作業項目の登録から進捗管理、成果物のコミットなどの作業は目新しいものではないけど、専用ツールを駆使した流れるような操作性は圧巻で、さすがに上手く出来ていると感心してしまった。無償ツールと有償ツールの比較はもちろんフェアではないけれど、少しばかりの投資で作業効率が大きく改善できるのなら、それは充分に検討に値するものだと思っている。無償で使えるツールも有るらしいので、今後の可能性を探るべく調べてみたいと思っている。

テストケースの優先順位をつけてテストを最適化しよう!

最近のテストツールの技術進歩には目覚ましいものがあるけど、今回のCoverityもその一つだと思う。講演では、Coverityがランタイム系の障害検出に重点を置いていることが紹介され、「ソースに変更が加わっているが、テスト出来ていない処理」を見つけ出すためのテストケース作成支援の機能が説明されていた。単なる静的解析や、テスト結果に基づくカバレッジ分析は昔からあるけれど、このツールのようにテストの実行結果を元にテストケースへフィードバックしてくれる仕組みは頼もしい存在だと思う。事例では、リグレッションテストでの対象を効率的に絞り込むことにより、リリース期間を1/3に短縮したという航空会社のサイトが紹介され、ツールの威力を実感できる内容だった。

Agile TED

開発現場にてふり返りを行ってプロセス改善を進めた事例や、プロジェクトに関わる用語(一例が「ドバイ」ですね)を作って共通の理解を深めた事例など、現場からのボトムアップの事例が幾つも紹介されていた。いずれも開発チームも(発表用に幾分脚色されているとはいえ)実に楽しそうに改善が行われている点が興味深く、ボトムアップ的なアプローチながら、組織自身の改善力として目覚ましいものが有るのは素晴らしいと思う。

従来の伝統的な開発の歴史を持つ組織だと、様々な規則、ルール、手順などががんじがらめに決められていて、開発プロセスとしては確かに正論なのだけど、現場はその決まりに機械的に従うことだけを要求され、ひたすら「やらされ感」だけが残る運営になりがちだ。双方の開発チームの運営として同じようなゴールを目指しているはずなのに、一方では自分たちの課題として認識して自ら改善を行い、また一方では他人事のような改善を半ば義務的に強いられている。聞いてみたことは無いけれど、開発者自身の仕事の満足度は両者で大きく異なるのだろうと思っている。