ボトルネックは開発リーダ

チーム内の作業が上手く回っていないという開発の様子を観察すると、なかなか興味深いものがある。

  • リーダはなぜか常に忙しい
    夜遅くまで残って残業するほど忙しいようなのだが、その忙しさの原因を聞いても本人の口からまともな説明は返ってこない。つまり、何が原因で忙しく、今後の見通しはどうなっているのか、本人自身が分かっていないのだ。自分自身の忙しさに酔いしれているリーダは、とにかく忙しいことが嬉しいらしい。
  • 問題の全貌が見えない
    プロジェクトのヒアリングを進めると、アレも有ってコレも有ってと次々と問題が出てくるものの、その総数が不明で、現在どの段階まで達しているのか不明だ。問題が残っているという点だけは同意だけど、それに勝るとも劣らず解決済みの問題も多数存在するはずであり、その日々の変化を追跡していけば最後の着地点が見えてくるはずだ。それなのに、同じ問題を何度も繰り返し取り上げて堂々巡りの議論を続けているから、話はなかなか前に進まなかったりする。
  • 進捗会議がやたらと長い
    進捗管理は週に一度の進捗会議で、会議に合わせて週に一度しか更新されないExcelの情報だけが頼りなので、現状把握に時間がかかってしまい、しかもその対策まで話し合うものだから時間ばかりがかかってしまう。本質的な議論を進めることもなく、問題点の列挙だけで終わってしまう長時間の会議に一番満足しているのが実はリーダ自身だったりする。

こんな開発現場をどう立て直すのか?と聞かれた事があるけど、仮に何か新しいツールの導入や、作業方法の改善を提案しても、そんなリーダは自分が慣れ親しんできたやり方にこだわりを持っているのが普通だし、そもそもリーダ自身に改善の意欲が無いのなら、周囲から何を忠告しても無駄に終わることが多い。忙しさを改善するために何とかせねばと自ら考えるリーダなら、既に何らかの対策を取っているはずなのだ。

リーダの重要な役割の一つは、チームが進むべき方向を示し、現在地点がどこにあるのか、チームのメンバがそれぞれ何をすべきなのか明確な指示を出すことだ。プロジェクトの現状を簡潔に説明できないリーダに、チームをまとめる役が相応しいとは到底思えない。そんな訳で、チームのリーダが開発プロジェクトのボトルネックになっている場合、そのリーダを交代させるのが一番手っ取り早く確実な解決策だとに思う。