有料サービスと無料サービスの狭間

Googleのサービスは無料のものが多くて気軽に試せるし便利なものが多いのだけど、何しろ無料だから「サービスの利用増加による収益の拡大」が見込めないと判断したのか、提供停止になってしまうものが少なくない。便利に使っていたサービスが無くなってしまうとユーザ側に混乱を引き起こすし、困る人も多いはずだと思うものの、ネット勝者の論理はそのようなユーザの声を無視しているかのようだ。

To focus on improving the core functionality of Google Groups -- mailing lists and forum discussions -- we have decided to stop supporting the pages and files features.

Google Groups Announcements Page: Notice about Pages and Files

The Google Translate API has been officially deprecated as of May 26, 2011.

http://code.google.com/intl/ja/apis/language/translate/overview.html

その一方で、有料サービスを顧客に提供しつつ、段階的に価格を下げてより利便性を向上させているのがAmazon Web Services(AWS)だ。毎年のように値下げの発表が続いており、ついに今回は一部の転送料金が0円(無料)になってしまった。他の料金と併せてトータルではペイすると判断したようだけど、今までお金を取れていたサービスをわざわざ無料化してしまうという経営判断も凄いと思う。

東京リージョンを含む全てのリージョンにおいて、データ受信(AWSに向けてのデータ転送)を無料化しました。つまり、ペタバイトのデータであっても、データ転送料金を払うことなく、AWSにアップロードできます。

Amazon Web Services ブログ: 【AWS発表】 AWSが再び値下げ発表 – AWSに向けてのデータ転送(データ受信)を無料化、データ送信を値下げ、CloudFrontのデータ転送を値下げ

個人的には、少しくらいのお金を払ってでも良いと判断したものは有料サービスを申し込み、無料のサービスはいつ無くなってしまっても仕方ないと思えるものにしている。(必要に応じてバックアッププランを考えておくとか)

複数の無料サービスが存在する場合、どれを選ぶべきかというのは悩ましい問題だけど、オプションとして有料サービスも併せて提供している無料サービスは継続的に利用出来ることが多く*1、この辺にサービス選択の判断基準が存在するようだ。以前に言葉が流行ったフリーミアムというビジネスモデルは、(全面的には賛成出来ないものの)確かに一理あるのではないかと思っている。

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*1:例えば、この「はてな」もその一例だろう