ソフトウェアプロダクトライン開発入門セミナーに参加した

昨日は産業技術総合研究所関西センターで開催された「モデル駆動開発を組み合わせたソフトウェアプロダクトライン開発入門」に参加してきた。講師はセイコーエプソンの島敏博氏。参加は30名弱で、関西地区だけではなく、名古屋や東京から来ている人もいた。これからプロダクトラインに取り組もうとしている人、モデル駆動開発をやってみたけど上手くいかなかった人、たくさんの#ifdefに困っている人など、それぞれに課題を抱えている様子だった。

講演は、プロダクトラインの考え方をどうやって管理者(会社側)に理解してもらうか?から始まって、良いモデリングの考え方や#ifdefによらない多品種展開の方法、アーキテクチャ戦略など、長年に渡って蓄積されてきたノウハウの集大成とも言えるような内容だった。もちろん、このやり方が正しいと言うわけでもないし、まだまだ課題が残されていることは事実だけど、産業界で日々ソフトウェアの開発に携わる身としては、実に説得力のある提案、指針、アイデアが並んでいて大変参考になった。

講演者の島氏は「内容にまとまりが無くて」と謙遜していたけれど、プロダクトラインの教科書に説明されている理屈は現実離れしていて開発現場には適用できないことが多い。極端な話、理論なんか後付けでも良いから、今日から現場で利用出来る現実的な方法論を求める人が多いのではないだろうか。大規模開発が多数の企業でたくさん行われていると言うのに、その具体的な方法論があまり出回っていないのは残念なことだと思う。

今回のセミナーは、そのような開発者向けの啓蒙、情報共有を兼ねているそうで、開発現場で日々苦労している方との率直な意見交換が出来たのは良い機会だった。先進的な取り組みをしている会社と自分たちのギャップに呆然としつつも、自ら取り組むべき方向の示唆を貰ったという意味で有意義なセミナーだったと思う。

近年の大規模化・複雑化する組込みソフトウェア開発の改善手法として注目されているMDD(モデル駆動型開発)とSPL(ソフトウェアプロダクトライン)。方法論やツール紹介ではなく、実際の現場ではこのアプローチをどのように理解し、活用・実践しているのか。難しい学術的な内容ではなく、本質的に何が取り組みとして重要なポイントなのか。これらのポイントを第一線で実践している現場から、わかりやすく解説します。

第2回 技術者向け交流サロン| 組込みシステム産業振興機構



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