甘い言葉にご用心

間もなく新年度が始まるので、これに会わせて新しいチーム体制に変わるようだ。当然のことながら、各チームやメンバー間での駆け引きが行われるので、「これは良い経験になる」「勉強になる」「君の人生の役に立つ」等という根拠のない戯言のオンパレード状態となる。仕事の表も裏も知っているベテランなら、そんな言葉が通じるわけ無いのだが、若い新人君はころりと騙されてしまうようだ。こんな甘い言葉を囁かれたら、下記の点を確認しよう。

  • 良い経験の具体的な内容は何なのか?
  • 良い経験はどのような数値で表現されるのか?
  • 良い経験を積むロードマップはどのようになっているのか?
  • そんなに良い経験なら他の優秀な人に勧めたらどうか?
  • 良い経験を積むことが会社の業績にどのように関係するのか?
  • 他にもっと良い経験を積む場があるのではないか?
  • 経験を積むことに対する報酬、人事面でのメリットはあるのか?
  • 良い経験を積むために誰がどのような形で協力してくれるのか?
  • 良い経験を獲得出来ることをコミットメントするのか?
  • 良い経験にならなかった場合、責任を取ってもらえるのか?

別に屁理屈を並べている訳ではない。本当に真面目にその人の成長を考えているリーダなら、この程度の質問にはテキパキと答えられるはずだ。逆に、曖昧なまま逃げようとするリーダは説明責任を果たしていない証拠だから、あまり信用しない方が良い。成果主義とか貢献度評価という環境で働く場合、仕事の成果は具体的成果や客観的指標という形で求められることが多い。それと同じ形で質問すれば良いだけの話だ。求められる内容や将来の姿が分からないのに働いても何の意味も無いと思う。

いい経験になる
説明される以上に難易度の高い、困難な仕事を任されること。

その言葉には裏がある! 会社の甘いささやき翻訳辞典 − @IT自分戦略研究所