アナタの常識、ワタシの非常識

仕様書に書かれている内容や、tracのチケットにコメントされている記載をチェック。確かに日本語の説明文が書かれているけれど、何だか意味が通じないので担当者に問い合わせを行う。しかし、その回答はなぜか怒ったものが多い。

  • 「この仕様書の記載は常識です」
  • 「そのような説明は当たり前です」
  • 「良識の範囲内で記載しています」

確かに当人にとっては「常識」のことなのだろうけど、それが開発チーム全員の常識と一致するかと言うとかなり怪しいと思う。常識とは「各自がそれぞれ勝手に思い込んでいるもの」であって、決して「全員の共通の認識」と合致するとは限らないのだ。ソフトウェア開発に関わる人なら、一つの仕様書に対して開発者全員の認識を合わせることがいかに大変なことか分かってもらえると思う。

特に日本語の文章の場合、明確な主語が無くても暗黙のうちに伝わってしまうし、少々説明が欠けていてもあうんの呼吸が伝わってしまうことも少なくない。これがコミュニケーションのコストを下げているというメリットは有るものの、同時にあらぬ誤解を生み出す地雷にもなっているのだ。常識だからと言った安易なコメントで拒否するのではなく、説明に足りないのは何なのか?と相手に確認を求める謙虚な姿勢が必要だと思う。