プリントアウトによる情報の見える化

長い資料をプリントしてみることがある。エコロジー推進派には目の敵にされそうだけど、全体像を把握するにはこれが一番だ。確かに、24インチディスプレイなどの大型画面では一度に表示できる領域が広いとは言え、たくさんのプリントを机の上に広げた時の情報量には全然かなわない。モニタ画面上でスクロールする毎に、人間の思考力も分断されてしまう気がする。

よくプリントアウトする資料として、下記のようなものがある。

  • 長いソースコード
    例えば一つの処理だけで1000行にも及ぶ長いコード(の酷さ)を分かってもらうのはなかなか難しいが、A4で10枚以上のプリントアウトを床の上に並べてみると、誰でもその分量とメンテナンスの難易度を実感できる。
  • コールグラフ
    複雑な呼び出しが絡むコードも、コールグラフを作成してプリントアウトしてみれば構成が一発で分かる。また呼び出し関係が密な箇所と、疎な箇所が偏在することも良く分かる。
  • メトリクス
    コードの複雑度等のメトリクスや、単体テストカバレッジレポートなどもモニタで見ている限り、なかなか全貌は分からない。でも、グラフ化してプリントアウトしてみると、どこに問題があるのか簡単に分かる。

仕様書の類は文章で書いているせいか、全ページをプリントしても分かりやすくなった印象がないし、UMLの図面も意図的に分割して書いているので、あまり大きな図面は出てこない。プリントアウトして効果が出るのは、やはりソースコード関係の情報のようだ。しかも、リファクタリングが必要に出来の悪いコードに限って、プリントアウトの枚数は多くなる傾向もある。単純な方法だけど、開発プロジェクトの見える化の一つとしてお勧めです。