現状維持は後退に等しい

ソフトウェア品質を巡る議論にて、こんなやり取りがあった。

私:「やり方を改善しないのだから、品質が向上しないのは当たり前の結果です」
相手:「今までのやり方を守ったのだから、悪くならないで済んだと言って欲しい」

もちろん、絶対的な答えというものは存在しないけど、彼のような「今までのやり方にこだわる限り安心(だし、自分の地位も安泰)」という保守的な姿勢には、やや疑問を抱かざるを得ない。

なぜなら、自分が同じ場所に留まっている時でさえも、他の開発者(端的に言えば競合他社)は絶えず改善を繰り返しているのだ。時間が経てば、その差が開く一方であることは明らかだろう。競争のないソフトウェア開発なら、昔の方法論を守っていくことに意味があるのかも知れないが、絶えず競争にさらされている状態で、改善を進めないのは命取りだと思う。屁理屈をこねて現状に安住する開発者がいる限り、ソフトウェアの品質は上がらないだろう。今さらながら「ゆでガエルエンジニア」とは上手い表現だと思う。