技術士試験(機械部門)の問題を考えてみる

技術士(機械部門)を目指している人と情報交換を兼ねて飲み会。今年の技術士第二次試験(機械部門)では、スーパーコンピュータの性能アップに関するデータと共に、その利用方法に関する問題が出たとのこと。へぇと思いつつ、問題冊子を見せてもらった。

コンピュータの演算速度の高速化によって、(1)どのような現象の解明あるいは予測が付くようになるのか、あるいはどのような分野への応用が開けると考えるか、具体的な例を挙げて現状との対比との上で述べよ。さらに機械工学に関連した色々な技術(設計、材料、制御、熱、流体、加工など)が、(2)コンピュータの性能向上の課題解決に寄与ししていると考えられるが、その課題と解決策について述べよ。

機械部門とはいえ、コンピュータの支援による開発を無視できない時代になってきているのだろう。シミュレーションをガンガン使って設計を行っていて、あの機能が欲しいとかこんなことが出来れば便利なのに、とアレコレ考えている技術者なら書くネタは豊富だったように思う。

演算速度の高速化にも方法は色々有るけれど、個人的には最近流行のスケールアウトに比べると、スーパーコンピュータのようなスケールアップはやや盛り上がりに欠けるように感じる。開発の目標や方向性がある程度見えているスーパーコンピュータに比べて、様々な方法が現在進行形で進んでいる巨大データセンタの方が面白いですねとコメント。なんせ、最近のデータセンターは、水冷のコンテナ式なのだ。こんな掟破りの仕組みを考える方が、スーパーコンピュータよりも断然楽しそうだ。機械部門には出ないと思うけど、情報工学部門なら出題されても不思議ではないネタだと思う。

しかし、いまはグーグル、アマゾン、マイクロソフトともデータセンターにはビルのような建屋などなく、駐車場のようなところにコンテナを並べる方法が主流になっているそうです。そのコンテナにパイプで冷却水を供給うし、外気と組み合わせることで、できるだけ電力を消費せずにサーバ群を冷却するのです。

グーグルの最新のデータセンターは非常識なほど進化している - Publickey

ちなみに彼の自己採点によれば、論文の結果はイマイチだったとか。でも技術士仲間にアドバイスを求めてくるし、既に来年の試験を見据えて勉強しているようだ。このくらいガッツのある奴ならいずれ合格するだろう。将来が楽しみだ。