残業したら負け

普段はあまり残業せずにさっさと会社を出るようにしている。会社に残って夜遅くまで仕事を続けると確かに量はこなせるし、頑張っている奴と思われて何故か評価が上がるし、残業代は手に入るし悪くはないのだけど、仕事量が時間に比例するのと言うのは何か根本的に間違っているような気がする。時間給で働くアルバイトではあるまいし、残業すればするほど(成果を問われることなく)残業代が支払われるというのも変な話だ。

オフショアでソフトウェア開発を進めていると、やはり中国やインドには途方もない数の開発者がいるのだなと実感させられることがある。確かに同等の日本人開発者に比べると、アウトプットの質では見劣りするのだけど、人海戦術(?)を駆使した短期間でのアウトプット量という面では、国内での開発パワーを遙かに凌駕しているように思う。品質確保に関するノウハウが日本から流出している状況を見ると、あと数年で国内開発と同等の品質を確保することが可能になるだろう。そんな時、人間の数で劣る日本が不利なポジションに落ちてしまうのは、避けられない宿命なのかも知れない。

以前に電通大の西先生が、日本人は3倍の時間働いて2倍の品質を確保するという発言をしていたのを聞いた事がある。投入した時間に見合う成果を生み出せない日本人の仕事ぶりを上手く言い表していると思うが、やはり時間などの単純な量に頼るだけの仕事はかなり危ない状況だと思う。量での勝負ではなく、質で差を付けられるような根本的な変換が必要になってきているのかも知れない。