それはコミュニケーションではない

ソフトのバグを巡る社内での会話。

私:「バグの原因は何か?」
A:「○×が行うべき処理を、△▽が行っているからです」
B:「△▽が行うべき処理を、○×が行っているからです」
私:「仕様ではどうなっている?」
A:「○×が処理を行う仕様だと思って、仕様書に書きました」
B:「仕様書を読んで、△▽が処理を行う仕様だと理解していました」
私:「なんでそんなに認識の違いが有るのか?」
A:「質問が来なかったので、特に問題ないと思っていました」
B:「仕様書を読んで理解できたので、特に質問しませんでした」
私:「それはコミュニケーションではなくて、単に独り言を言い合っているだけだな」
A, B「...」

言葉を使ったやり取りを行う以上、何らかのミスコミュニケーションが発生してしまうことは仕方が無い。問題なのは、そのような認識の食い違いを予期して対策を打てるか否かだ。例えば、理解した事を相手に伝えて自分の認識に間違いがないか確認を取る、仕様書の読み合わせを行って誤解を招きそうな箇所を手直しする、文章を図面化して別の形で示す等、方法はいろいろ有るはずだ。せっかく資料を作っても、相手に理解してもらわなければ何の意味も無い。相手が理解して初めて仕様書の存在意義が生まれるのだから、資料を作っただけで自己満足に浸っていてはいけない。