関西Ruby会議2017に参加した

2017/05/27は、関西Ruby会議2017へ行ってきた。RubyはJenkinsのジョブや簡単なツールに使う程度だし、Railsは全然習得できていないし、チンプンカンプンな話が続いたら困ると思っていたのだけど、こんな私でも理解できる内容が多くてなかなか楽しめるイベントだった。

2016年は京都でRubyKaigiが開催されて大盛況でした。
そして、2017年は地域Ruby会議を大阪で開催します。

関西Ruby会議2017

聞いた講演の中では特に下記が印象に残った。

エンタープライズRubyOnRails:エンプラでぶち当たった2つの壁と突破法

10名のチーム体制で開発を始めたものの、ソースのコンフリクトが多発し、様々な書き方のコードが存在したため、レビュー時間の増加という問題が発生。その対策として、Excelでモデルを作成してコードを自動生成させたという話。アジャイル派から見たら卒倒しそうな内容だったけど、人数が多くなる程、スキルのばらつきは大きく、その対策として作業効率化の仕組みが導入されるのは他のプラットフォームと変わらず、Railsでも同じだと知った。開発技術はシステム開発の必要条件では有るけれど、十分条件ではないので、開発プロセス抜きには開発組織は成り立たないと思う。その意味では、そもそも何の開発プロセスに従い、どのような作業ワークフローが準備されていたのかという点が気になる内容だった。

子どものためのプログラミング道場「CoderDojo」を支えるRails CMSの活用事例

子供にプログラミングを教えるCoderDojoのサイト構築の話。RailsCMSを作る話かと思っていたけどそうではなくて、RailsのプロジェクトをScrivitoというサービスに取り込み、ブラウザ上でデータ編集を可能にしてしまうという仕組みだった。結果的にはCMSなのだけど、その裏方ではRailsが稼働しているので、Railsが生成するコンテンツを利用できるのが特徴らしい。通常のCMSでは「利用者が全てを記載する」か、あるいは「予め用意されているウィジェットを利用する」しか無いけど、今回のシステムでは両者のいいとこ取りが出来る構成になるようだ。初めて知ったサービスだけど、これはなかなか便利そうで、自分でも使ってみたくなった。

Rubygem開発の流儀]

今まで多数のGemを作成、公開してきた経験の中で、Gemを作るに至った理由は何なのか、どのようなGemが必要とされるのかという開発の裏事情を解説してくれる話だった。日々の作業の不満を解消すべく、開発支援系のツール類を多数考案し、その為に頭の中に沢山の引き出しを用意しておく、という姿勢は、Gem作成に限らず他のソフト開発全般にも役立つ考え方だと思う。言われるがままの作業手順に従う開発者よりも、このように自分の頭で物事を考えて自ら改善できる人が求められる時代になってきているのだろう。著書としてパーフェクトRuby改訂2版が紹介されたので、帰り道に書店で購入した。Gemパッケージの作り方が詳しく説明されているとのことだけど、多分私には不要な内容だろう。でも、この講演のような考え方をする方の書籍なら、きっと有益な内容が多いだろうと思いつつ読んでいる。

改訂2版 パーフェクトRuby

改訂2版 パーフェクトRuby