デベロッパーズサミット2013に参加した

昨日(2013/02/15)は目黒雅叙園で行われていたデブサミ2013に参加してきた。今年も相変わらず参加者が多く、休憩時間に混んでいる通路を通って他の部屋に移動するのは大変だったけど、開発の最前線で闘う(あるいは現場から逃げ出してきた?)開発者の熱気を感じるイベントだった。

沢山の講演の中でほんの一部のセッションしか参加できなかったものの、今回は大きな会社の講演よりも個人レベルに近い形での発表がずっと興味深かった。せっかくHTML5の話を聞きに行ったのに、Windows95から始まるインターネットの変遷を延々と説明されても白けてしまう。聞き手としては、技術開発の最前線で、今何が起こっているのか知りたいのだ。そんな中、特に良かったのは下記の2つの講演だった。

NoSQLの野心的な使い方〜Apache Cassandra編〜(岸本康二さん)

  • NoSQLの正しい理解・誤解の紹介。CassandraとMogoDBなど他のDBとの相違点など。
  • RDBMSは書き込みがネックだが、NoSQLなら幾らでもスケールアウト可能。
  • SQLは様々な形でデータ集計が出来るのがメリット。NoSQLが苦手な領域。
  • NoSQLは、今後M2Mなど有望な市場が広がっている。10年後はどんなDBを使っている?

書籍「Cassandra実用システムインテグレーション」の著者である岸本康二さんの講演。NoSQLに有りがちな誤解を説明した上で、実際に開発されたシステムの事例などが紹介され、とても勉強になった。今までRDBMSをやって来た人がNoSQLに関わると、xxが出来ないと問題点ばかり上げてしまうのは、良く聞く話だ。NoSQL, RDBMSのそれぞれの得意な点、不得手な点を理解した上で、その両者を上手く組み合わせて使いこなせるかが今後のポイントのようだ。

Cassandra実用システムインテグレーション (NEXT-ONE)

Cassandra実用システムインテグレーション (NEXT-ONE)

Kinectから始まったスタートアップ(中村薫さん)

  • KinectをはじめとするDepthセンサの動向。最近のシステムでは手の指も認識できる。
  • 商用利用の紹介。実機デモ(プロジェクトに映した雪吹雪を、手の動きで反応させる)。
  • スタートアップの経験談。全ての人には勧めないけど、一人で仕事をするメリットも大きい。
  • アウトプットとインプットの循環が大切。是非ともアウトプットして欲しい。

Kinect関連の書籍の著者である id:kaorun55 さんの講演。前半はKinectなどの様々なDepthセンサやSDKが、実機デモと共に説明された。Kinectすら疎い自分にとっては、目新しい情報ばかりなので大変勉強になった。最近は人間の骨格だけではなく、個々の指まで識別できるものもあるそうで、これは凄い技術だと思う。既に実際に利用しているシステムも紹介され、今後ますます活用の場が広がっていきそうで楽しみだ。

講演の後半は、独立したきっかけや現在の仕事の状況などの話が赤裸々に続き、経済的に安定しないなど苦労は多そうで、それなのに実に楽しそうに話をしている様子が印象的だった。確かに誰にでも出来ることでは無いし、開発者・マネージャ・経営者の3役を一人で兼ねるのは大変だと思うけど、自分としてはこのような形で自立している人を応援したいと思う。会社と個人が対等な立場に立ちつつ、個々の技術力で自立できる開発者が増えてくれば、さらに良い業界、社会、世界に変わっていくのではないだろうか。

KINECT for Windows SDKプログラミング C++編

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KINECT for Windows SDKプログラミングC#編

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