現場の士気を低下させる作業指示

開発プロジェクトの実行部隊は当然生身の人間だから、感情もあるし気持ちの問題もある。いつも明るく愉快に仕事が出来れば嬉しいけど、そんな楽しいことばかりではない。忙しい現場は少々殺気立ったり雰囲気があるけれど、むしろ現場の雰囲気を台無しにしてしまうのは、そんな個人の感覚を理解していない開発リーダだったりする。そんな人によく見受けられる作業指示の一例。

  • 他部門から来た作業依頼メールを、「対応をよろしく」と一言書いただけで転送してくる。(多いよね)
  • 定時後に新しい作業依頼を平気で出してくる。(特に金曜日は最低)
  • 担当者が作業に没頭しているのに「至急の作業」と称して次々と作業依頼を出してくる。(あなたの「至急」とは何なのさ?)

現場の士気を上げるのは難しいけれど、逆に低下させるのは簡単なことだ。ほんの少しばかりの気配りで心穏やかに担当者が作業できるはずのことを、手間を惜しむばかりに、或いは自分で横着するために手っ取り早く済ませようとするから、現場の士気は低下してしまうのだと思う。

「忙しいところ悪いけれど、この作業をお願いしたい」という程度の簡単な説明を、なぜ口頭で伝えられないのか不思議でならない。相手は、遠く離れた地球の裏側にいるわけではなく、歩いてほんの数十歩の同じフロアにいるのだ。顔を合わせて話が出来る程度の距離にいる人間に、不躾なメールを平気で送り付ける開発リーダは、本当のその役職を本当に全うできるのか疑わしい気もする。

自分の立場を変に誤解して「命令を出すのはオレの仕事だ」と頑なに信じ込んでいる開発リーダほど厄介な存在はない。反面教師としては役立つかも知れないが、メンバから恨みを買うような人間に見習うべき点は何も無いように思っている。