前提条件が違うから話が噛み合わない

情報を発信する側が置かれている状況は千差万別だから「ある情報は必ず正しい」と評価出来るでもないし、「この情報は正しくない」と断定する性質のものでもない。個々の状況に応じて適切な案、対策、考え方、やり方が有るのが普通であり、その背景事情を理解しないことには、その主張の本質を見誤ることにも繋がりかねないと思う。

例えば、自分たちの開発グループではこんな対策を講じています、という発言に対して、既にそのようなことをやっている人なら「そんな当たり前のことが出来ていないのか」と後ろ向きの評価するだろうし、同じ問題を抱えて困っていた人なら「それは上手いやり方なので役立ちそうだ」と前向きな評価をするはずだ。発信側と受信側が同じ意識を共有出来ているほど、共感の度合いも大きいのではないかと思う。

困るのは、自分の理解こそが絶対に正しいと頑なに信じている人が時々いることで、そんな状況では話がなかなか噛み合わず、時には問題に対する議論を通り越して、「あいつはダメだ」と人格攻撃すら起こりかねない場合もある。万人に受け入れられる万能の考え方なんて(特に仕事の現場では)存在しないはずだから、自分の経験と知識だけを判断の根拠に据えるのは危険だ。自らの環境とは異なる所ではそのような考え方が有効なのかと、少しばかりの想像力を持って理解する力も必要ではないか思っている。



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