楽天ブックスのシステムトラブル

日経ビジネスの2011年7月25日号に楽天ブックスでのシステムトラブル事例が載っていた。「単行本やDVD、CDなど200万点を扱う。現在1日約1億円を売り上げ、楽天にとって最大の店舗」(記事より)ということなので影響が大きく、アフターサービスランキングの「ネット通販」部門ではダントツで最低の評価になっていた。

自分自身は楽天ブックスをあまり使わないのでトラブルにあった経験は無いのだが、記事によれば、注文した本が勝手にキャンセルされて連絡が来なかったとか、注文して2ヶ月以上経過しても商品が届かず問い合わせへの回答がない等、かなり酷い状況だったらしい。確かにお金を払って利用している顧客の立場からすれば、こんなサービスでは話にならないし、二度と利用するものかと思うのも当然のことだろう。

「打倒アマゾン」を目指して、顧客サービス強化のためのシステム改修を急いだあまり、不具合が残ってしまったらしい。システムトラブルなんて珍しくない時代とは言え、拙速なリリースがトラブルを引き起こす事例は他でも有ったはずだ。他人の経験を教訓として活かすことは、今回も出来なかったようだ。

 例えば、旧システムで受け付けた注文データを新システムに引き継げないケースがあったため、納期の逆転現象が発生した。ある顧客が2月に注文した商品よりも、3月に注文した商品が先に届くといった具合だ。
 ソフトウェアに欠陥があり、100個の限定販売商品であるにもかかわらず、130人から注文を受け付けてしまうという事態も起きた。先着順で100人を優先し、30人分をキャンセルしようとした。だが、今度は130人分の注文をすべてキャンセルしてしまったという。

日経BP SHOP|日経ビジネス2011年7月25日号

顧客の信頼を失うことは(このようなトラブルが発生すれば良いので)簡単だが、顧客の信頼を確保し続けるのは大変難しい。ビジネス雑誌の記事に載せられる位だから、企業ブランドのイメージ低下も避けられないだろう。楽天はこの問題への対応として担当役員の交代や減俸処分を行い、「今後、中核システムについては品質優先で開発する」そうだが、果たしてこのような方針変更だけで問題の再発を防ぐことは可能なのだろうか。根本的な原因はまだまだ他にも潜んでいるような気がしている。

楽天は「ネット通販」部門で直営オンラインストアの「楽天ブックス」が史上最低評価となっていまいました。震災の影に隠れる形であまり報道されませんでしたがシステム刷新に失敗し、注文した商品が届かないといった事態が頻発していたのです。楽天を拙速ともいえるシステム刷新に駆り立てた真の理由に迫っています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110721/221591/



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